ヨルダンのシリア難民

ヨルダンのシリア難民に職場における権利を紹介するILOオンライン学習プログラム誕生

2017年05月02日

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に登録されている65万7,000人を含み、ヨルダンに住むシリア難民は、130万人近くに達しています。この大半が都市部で暮らしています。ILOはこのたび、この難民を対象に、ヨルダンの労働法に基づく労働者の権利と責任を説明するe-ラーニング・プログラムを開発しました。

労働者の法的権利に関するヨルダン在住シリア難民向けe-ラーニング・プログラム紹介動画(アラビア語・英語字幕付)

 ILOはディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)国別計画を通じてヨルダンのディーセント・ワークの不足を減らし、国の能力を強化してディーセント・ワークを社会・経済政策の主流に据えることを目指しています。この一環として、近年、ヨルダン全土において難民と受入社会の両方の人々を対象とした様々な活動を実施しています。これには、ヨルダンの労働法規に沿って特定分野における就労許可を与えることによってシリア難民の就労と生計を得る機会の円滑化を図るよう政府に働きかけ、シリア難民を受け入れているヨルダン地域社会の雇用機会と生計手段を強化することが含まれています。国際社会の支援の下で実施された政府の取り組みは数千人のシリア難民による就労許可の取得に結びつきましたが、この過程でILOは重要な役割を演じました。

 難民受入地元社会におけるヨルダン人の雇用展望の改善を図りつつ、建設業及び農業部門で働くシリア人労働者の技能育成及び就労許可取得を手助けすることを目指して、英国政府の任意資金協力を受けて実施されているILOのプロジェクトの一環として開発されたこのオンライン学習プログラムは、就労許可、労働者の権利、ヨルダン人以外の労働者に開かれている産業部門、社会保障、労働安全衛生の5分野に関する動画その他の訓練教材で構成されています。労働省と社会保障公社の支援を得て、e-トレーニング・プログラムの専門業者であるノーレッジ・ホライゾン社によって設計されたこのオンライン・プログラムは、ヨルダンにおけるシリア難民の就労公式化を手助けするILOの現在進行中の取り組みの一環として、就労許可を取得して合法的に働くことの利益とそのために必要な手続きを説明しています。プログラムはまず、イルビド、マフラク、ザルカ、アンマンの建設部門で働くシリア人500人、そして女性が大半を占める農業部門の労働者に利用してもらった後、他の部門の労働者へと普及が図られることになります。

 プログラムの試験運用に参加したあるシリア人労働者は、就労許可の申請方法に関する手引きを示し、社会保障に係わるものを含み、労働者が資格を有する権利と福利厚生について概説するこのプログラムについて、「非常に簡単で、使いやすい」として「良いプログラム」と評価しています。

 ヨルダンにおけるILOのシリア難民対応活動の調整官を務めるマハ・カッターは、シリア難民の公式就労支援は、「労働者保護とその労働条件改善に向けた重要な一歩」と位置づけ、したがって、もっと多くのシリア人労働者が就労許可を申請するよう奨励するため、プログラムをスマートフォンでもアクセスできる利用しやすいものとして設計し、無料で提供していることを報告しています。

* * *

 以上はILOアラブ総局によるアンマン発英文記者発表の抄訳です。