インフォーマル経済
モルドバのフォーマル経済への移行をILOも支援
2016年01月14日
モルドバは2011年に成立した国家行動計画の実行を通じてインフォーマル経済に取り組むことを公約していますが、ILOは1月14日に開始した新たなキャンペーンを通じてインフォーマル(非公式)就業のフォーマル(公式)化促進と無申告労働削減に向けた同国の政府及び社会的パートナーの取り組みを支援することとしました。このキャンペーンでは、社会的保護の土台及びフォーマル経済への移行に関するILOの勧告に沿って、税金や社会保障負担金の納付を避ける目的で行われている賃金額の過少申告及び無申告労働の問題に取り組む予定です。インフォーマル労働を選好する姿勢や態度を変える助けになるものとして、「我は納付する、故に我は社会保障の給付を受ける」、「自分の労働契約を請求せよ」、「封筒入りの無申告賃金に『ノー』を」の三つの中心的なメッセージが採用されています。
インフォーマル経済と無申告労働はモルドバの労働市場と社会保障制度が抱える大きな問題です。2014年時点で就業人口の32.5%に当たる計38万5,500人が未熟練職を中心とするインフォーマルな仕事を主たる職としていました。インフォーマル性が特に高いのは農業(73.0%)で、次いで商業、ホテル・レストラン、建設業といった業種を挙げることができます。また、就業者の57%が給与を完全には申告しておらず、2010年時点で無申告の賃金額は支払賃金額合計の45%に相当する93億モルドバ・レウ(約535億円)に上ったと推定されています。
ユリエ・クラチウネアク労働・社会的保護・家族副大臣代行は「この現状は、政府、使用者、労働組合、企業、我が国パートナーのすべてを挙げてインフォーマル経済を特定し、そのフォーマル化に向けて効果的な措置を講じることを要請する」として、この点で「ILOのキャンペーンは非常に歓迎される必要なもの」と評価しています。
キャンペーンでは、1月18日から2月末まで毎日、動画とラジオのクリップを公共波で流し、公共の場における掲示板やポスターを用い、ちらしの配布を通じて、インフォーマル就業者やその可能性がある人々に幅広く全国的にメッセージを届けることを目指しています。
ILOは2014年6月から2015年末までモルドバでインフォーマル経済のフォーマル化に向けたプロジェクトを実施し、経済のフォーマル化を通じて仕事の質、人間らしさ、働きがい、生産性を高めるような政策・措置の設計・実行に向けた政府及び社会的パートナーの公約並びに能力の強化を図りました。このプロジェクトはインフォーマル経済撲滅の主な課題に包括的な形で取り組む専門分野横断的な協力体制構築に向けたILO内のモデルケースとなります。
2015年12月14日に首都キシナウで開かれたプロジェクトの成果発表会では、上記啓発キャンペーンが1月から実施されることやモルドバのインフォーマル経済について行った包括的な検証の結果をまとめた報告書が間もなく刊行されることが発表され、インフォーマル企業やインフォーマル労働者のフォーマル化及び無申告労働の削減を導く法的措置や実践的な措置についての提案、助言、研修が提供され、経験交流が促進されました。
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以上はILO中・東欧ディーセント・ワーク技術支援チーム(DWT)兼国別事務所による次の二つのキシナウ発英文記者発表の抄訳です。
- 2016年1月14日付記者発表-モルドバのフォーマル経済への移行をILOも支援
- 2016年1月8日付記者発表-モルドバのインフォーマル経済のフォーマル化を支援