公正な移住

パキスタン移民労働者のより良い搾取対策が発進

2016年02月10日

 国外に仕事を求めるパキスタン人は相当数に達し、1971~2015年の期間に800万人以上が出国したことが記録されています。この94%が湾岸協力理事会(GCC)諸国に向かい、移民労働者の8割までがサウジアラビアとアラブ首長国連邦を渡航先国としています。移民労働者の圧倒的多数が男性で、女性は全体の0.1%に過ぎず、2008~13年の出国者は6,500人を下回っています。

 移民労働者が雇用に関連して経験した搾取を訴える仕組みは昔から存在しましたが、在外パキスタン人・人材開発省はこのたび、海外で働く自国民がインターネットを通じて苦情を申し立てることのできる仕組みを開発しました。ピル・サイド・サダルディン・シャー・ラシディ在外パキスタン人・人材開発連邦大臣は、同省の活動の重点は「移住の流れのあらゆる段階で移民労働者の福祉と保護を促進すること」に置かれていることを紹介した上で、紙ベースで、申立人本人の事務所出頭による申立てを要請していた旧来の仕組みは移民労働者や在外パキスタン人のニーズに十分応えていなかったことを認め、欧州連合の任意資金協力を受けてILOが実施している「南アジア労働力移動統治(SALM)プロジェクト」の技術的・資金的援助を受けて開発されたこのオンライン・システムについて、「インターネットにアクセスさえできれば、世界中どこからでも申立てを提起できるため、利用者にとっては便利になろう」と評価しました。

 在外パキスタン人・人材開発省のウェブサイトを通じてアクセスできるこのシステムを用いて申立人は申立ての処理状況を追跡することもできます。同省政策企画ユニットのファヤズ・マリク・ユニット長は、このツールが政府にとっても申立処理における効率性と透明性を高めるものになるであろうことを指摘して、「すべての移民労働者の利益保護」における改善に寄与することへの期待を述べています。

 始動式典で挨拶した駐パキスタン欧州連合代表部のベルナール・フランソワ協力部長は、法の統治を信じてこの事業計画に関与した欧州連合の立場を説明し、移民労働者が自らの権利を知ることの重要性を強調しました。そして、このオンライン申立システムが、募集・雇用の過程で直面するかも知れない搾取と権利侵害から移民労働者を守り、紛争や権利侵害がより良く管理され、迅速かつ友好的な形で解決されることへの期待を表明しました。

 ILOパキスタン国別事務所のベリンダ・チャンダ所長代行は、留守家族への仕送りを通じてパキスタン経済に重要な貢献を行っている移民労働者が正義を得る機会の改善に向けたシステムの誕生を歓迎し、安全な移住の促進に関与している利害関係者に向けて、整合的かつ緊密に協働することを呼びかけました。

 2013年から開始されたSALMプロジェクトは、インド、ネパール、パキスタンといった東アジア諸国からGCC諸国へ向かう労働力移動の管理促進、脆弱な移民労働者の実効的な権利保護の確保、労働力移動が開発に与える影響の向上、非正規移住の削減を目指しています。

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 以上はイスラマバード発英文記者発表の抄訳です。