パートナーシップ:ILO/オランダ
パキスタンの労働監督制度強化に向けてILOとオランダが協定締結
2015年07月02日
| パキスタンとグローバル・サプライチェーンの二つにおけるILOの活動を支援する協力協定に署名したロデリック・ファン・スレーフェン・オランダ国国連大使(写真左)とガイ・ライダーILO事務局長 |
ILOとオランダ政府はこのたび、パキスタンの政府及び労使団体による同国の労働監督の仕組みの活性化に向けた措置の策定を支援するユニークなパートナーシップ関係を構築しました。パキスタン政府による国際労働基準の遵守を支援するILOの全体的な取り組みの重要な要素の一つと見ることのできるこのパートナーシップは、実効性のある労働監督のための制度機構の強化、労働監督法の執行に携わる人材のニーズ評価に基づく能力向上、民間部門との連携による国際労働基準の促進及び企業によるその遵守の確保といった分野に重点を置くものとなります。
労働監督は持続可能な企業の育成、とりわけパキスタン製品に無関税で欧州市場に進出する地位を与えた2014年1月発効の一般特恵関税(GSP)プラスの観点から非常に重要な要素です。パキスタンは早くも1953年にILOの労働監督条約(第81号)を批准していますが、関係者からは労働監督の実効性の強化を強く求められてきました。条約勧告適用専門家委員会からも指摘されているように、労働関連事項の司法管轄権や立法権の州移譲の点から見た法律規定の執行を確保する必要もあります。
2012年にシンド州州都カラチで起こった工場火災は200人を超える労働者の生命、そして1,000人以上から職場を奪いました。この悲劇以降、労働安全衛生を点検する実効性のある労働監督が求められ、政労使が力を合わせてシンド州における労働安全衛生合同行動計画を策定するに至りました。政府は現在、2013年から実施されているこの行動計画を改良し、他の州にも導入することを目指しています。
パキスタンにおけるILOとオランダの協力関係は最近緊密度を増しており、2014年5月に開かれた共催円卓会議に出席したオランダのリリアンネ・プラウメン外国貿易・開発協力大臣は、欧州連合向けの輸出拡大の前提条件として、パキスタン繊維産業中小企業の労働条件改善の必要性を強調しました。会議を受けて実施された労働安全衛生研修では、100人以上の労働監督官に労働安全衛生の主要な概念に関する研修が提供されました。また、2014年12月には国際金融公社(IFC)も参加してバイヤーズ・フォーラムが創設されました。H&Mやギャップなど、大手国際ブランドが参加するバイヤーズ・フォーラムの会合は既に3回開かれ、パキスタン繊維部門の労働・環境面におけるより良い慣行に向けた公約が再確認されています。公約を補足するものとして、繊維部門の好事例と法令遵守状況の評価も行われています。
パキスタンに関する協定の締結と同時に、オランダとILOは2016年6月の第105回ILO総会で行われるグローバル・サプライチェーン(世界的供給網)におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する一般討議の準備作業に対するオランダの支援活動に関する協定も締結しました。準備作業の一環として、サプライチェーンの活動がディーセント・ワークの機会につながった成功例を特定し、そのような物語に光を当てることを含み、グローバル・サプライチェーンでディーセント・ワークを確保する方法に関する途上国との地域協議が予定されています。
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以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。