国際労働基準

ノルウェーの批准によってILO強制労働議定書が発効へ

2015年11月18日

 2015年11月9日にノルウェーから批准書が寄託されたことによって「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」は2カ国批准の発効要件を満たし(1カ国目のニジェールは2015年5月14日に批准)、1年後の2016年11月9日に発効する運びとなりました。

 2014年に採択された強制労働(補足的な措置)勧告(第203号)と共に1930年の強制労働条約(第29号)を補足するこの議定書は、強制労働の防止、被害者の保護、司法アクセスなどに関する新たな規定を導入すると同時に官民両部門の使用者に対して自らの事業行為やサプライチェーン(供給網)における現代の奴隷労働の発生を避けるよう十分な注意を払うことを求めています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、ノルウェーの批准について、「強制労働の被害者保護に向けた公約を新たにすることを他の加盟国に強く呼びかけるもの」と評価し、「数百万人の男女、子どもが自らの自由と尊厳を取り戻す助けになろう」と喜びを示しています。批准書の発効をもたらした自国の役割についてコメントを求められたノルウェーのステファン・コングスタズ国際連合その他国際機関大使は、すべての国が現代の奴隷問題を認めることの重要性を指摘し、その完全な根絶に向けて最優先取り組み課題とすべきことを訴えています。

 ILOの推定によれば強制労働被害者は世界全体で2,100万人に達し、加害者が不正に得ている利潤は年間1,500億ドル近くになると見られます。被害者は農業、漁業、家事労働、建設、製造業、鉱業などで見られ、女性と少女は特に商業的性的搾取を受けています。強制労働は途上国だけの問題ではなく、この産業が生み出す利益は先進国で最も高くなっています。

 ILOは議定書の批准を促進するために、国際使用者連盟(IOE)及び国際労働組合総連合(ITUC)と共に世界的なキャンペーンを展開しています。この「50 for Freedom(自由のための50カ国)キャンペーン」は一般の人々の支援を動員し、2018年までに少なくとも50カ国が議定書を批准するよう影響力を行使することを目指しています。

 ノルウェーは強制労働条約の議定書に加えて、同日、2000年の母性保護条約(第183号)2006年の職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)の批准書も寄託しました。同国は1930年の強制労働条約(第29号)は1932年、1957年の強制労働廃止条約(第105号)は1958年に批准しています。

* * *

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

Related content

1930年の強制労働条約の2014年の議定書

1930年の強制労働条約の2014年の議定書