強制労働条約の議定書

ニジェールが現代の奴隷労働の消滅を目指す強制労働条約の2014年議定書の最初の批准国に

2015年06月05日

ニジェールのアダ雇用・労働・社会保障大臣(写真左)とライダーILO事務局長

 ILOは2014年の総会で、1930年に採択された強制労働条約(第29号)を現代の問題に対応させるため、問題の防止、被害者の保護、救済を得る機会に関する規定を新たに盛り込む議定書を採択しました。去る5月14日、ニジェールがこの「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」の最初の批准国となりましたが、現在、ジュネーブで開かれている第104回ILO総会の枠内で6月5日にこれを記念する式典が開かれました。ガイ・ライダーILO事務局長は、「歴史的な瞬間」と評して批准を歓迎し、「強制労働全廃に向けた共同努力」の一環としてできるだけ多くの国が早期にニジェールに倣って議定書を批准することへの期待を表明しました。

 1960年に独立したニジェールは翌61年に強制労働条約(第29号)を批准し、2002年には奴隷を非合法とし、奴隷所有者を厳罰に処する法を制定しています。しかしながら、2008年にILOと同国統計局が共同で行った調査からは、人口1,300万人のニジェールで、主として奴隷制の名残と深く根を降ろした差別慣行に関連して子どもを含む5万9,000人以上の強制労働被害者が存在することが判明しました。批准書をあらためてILO事務局に寄託した同国のサリス・アダ雇用・労働・社会保障大臣は、この署名を「我々の社会を侵す悪疫と闘う取り組みにおける必然的な次の一歩」と語っています。

 ILOの強制労働撲滅特別行動計画は2014年にニジェールの政労使と改めて協力関係を結び、強制労働・差別反対プロジェクト(PACTRAD)の第2期を開始しました。伝統的な部族首長を含む地域社会の行動主体に能力開発や技術支援を提供することによってニジェールの強制労働と差別に対する取り組みを支援するこのプロジェクトは、この問題に対する人々の意識を高め、被害者のエンパワーメント・保護に係わる制度・機構の強化に成功しています。

ニジェールが強制労働条約の2014年議定書の最初の批准国となった意義について評し、この批准は過去数年間に同国が達成した進歩を示すものと評価するILO強制労働撲滅特別行動計画のベアテ・アンドレエス部長(英語)

 強制労働の被害者は今でも世界全体で2,100万人に達し、年に1,500億ドル近い違法利益が生み出されているとILOでは見ています。被害者は農業、漁業、家事労働、建設業、製造業、鉱業などの経済活動で搾取され、とりわけ女性は少女も含み、商業的性的搾取の被害者となっています。「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」は2カ国の批准によって発効しますが、ILOは第104回総会を機に、2018年までに少なくとも50カ国による議定書の批准達成を目指す世界規模のキャンペーン「50 for Freedom(自由のための50カ国)」を開始します。総会参加者は現在、キャンペーンへの支持を表明するために総会議場に設置された特別パネルへ署名することを奨励されています。アダ大臣も批准記念式典終了後に署名しました。ツイッターを通じてこのキャンペーンの動向を追い、支持を表明することもできます(ハッシュタグ#50FFをご利用下さい)。

 ニジェールはまた、強制労働条約の議定書に加え、1997年の民間職業仲介事業所条約(第181号)も批准し、労働市場関連機構の近代化、生産的な完全雇用の促進に向けた公約を強く示しました。同国はまた、労働安全衛生分野の三大文書である1981年の職業上の安全及び健康に関する条約(第155号)同条約の2002年の議定書2006年の職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)のうち、第155号条約と第187号条約は既に2009年に批准していますが、このたび、第155号条約の2002年の議定書の国内批准手続きも完了させました。第155号条約を補足する2002年の議定書は業務上の事故、疾病、危険事象の記録と届け出の仕組みを定め、労使の関与を得た上での関連データの収集という重要な要件を強化すると共に国際比較可能な統計の確立に向けてデータ収集の仕組みを調和させることを目指しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

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