シリア難民危機
シリア人・周辺地域支援ヘルシンキ会合(2017年1月23~24日)でシリア難民と受入社会のための働きがいのある人間らしい仕事の創出を訴えるジャラダトILOアラブ総局長
2017年01月24日
国内の武力紛争を理由としてシリアの人々が国外脱出を始めてから今年で6年目に入り、近隣諸国に避難した人の数は既に480万人を超えています。フィンランド政府の主催により、この長引く危機への対応を検討する会議が2017年1月23~24日にフィンランドの首都ヘルシンキで開催されました。
域内諸国の政府代表、国連機関、国際金融機関、援助国、国際非政府組織(NGO)や国内NGOの代表、民間セクターの参加を得て開かれた2日間の会合では、1,350万人を超える人々が緊急人道支援を必要としているシリア国内の主な人道的優先事項に加え、国外に脱出して現在は近隣諸国で暮らす480万人以上のシリア難民の保護の強化、そしてシリア国内のみならず近隣諸国の440万人を超える脆弱な人々の強靱性構築に焦点が当てられました。国連人道問題調整事務所(OCHA)が活動を調整する2017年のシリア国内における主要な人道的優先事項の概要が紹介され、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と国連開発計画(UNDP)が調整を図る2017~18年の難民・強靱性地域プランが発表され、国連及びそのパートナーはシリア国内の人々、避難民、そしてその受入社会の支援には総額46.3億ドルが必要なことを訴えました。
ILOを代表してこのシリア人・周辺地域支援ヘルシンキ会合に出席したルバ・ジャラダト・アラブ総局長は、24日に開かれた、脆弱性と仕事と経済機会に関するハイレベル・パネル討議に参加して、危機対応には、雇用機会と生計を得る機会の拡大に向けた、開発に根ざした取り組みが含まれるべきことの重要性を強調しました。総局長は、「シリア難民及び難民受入国の地域社会を脆弱でもろい状態から抜け出させるには、人道的な対応だけでは十分でないことに国際社会は気づくに至った」と歓迎し、人道的な取り組みと並行して、仕事を豊かに生む包摂的な経済成長を生み出す、開発を基盤とした取り組みを採用すべきことを説き、「難民と受入社会が必要としている仕事は、何でも良いわけではなく、人々を強くし、生計手段の回復・改善をもたらし、生産的で有意義な未来を保障するような働きがいのある人間らしい仕事」と訴えました。
ILOによるヨルダンにおけるシリア難民及びその受入社会の最近の支援活動のハイライト(英語/アラビア語)シリア難民の受入人数が最も多い国の中でもILOはトルコ、レバノン、ヨルダンの3カ国で雇用機会と生計機会の拡大を通じて難民とその受入社会の両方の強靱性構築を図っています。児童労働撤廃に向けた機構能力と調整力の強化、雇用を豊かに生む各国の危機対応確保に向けた政策策定支援も行っています。これら3カ国におけるILOの難民危機対応活動は、2017年末までに、短期的なものも含めて6万5,000人の雇用者及び起業者を生み出し、訓練やインターンシップ、職業紹介、語学研修を通じて21万8,000人の就労を支援し、11万9,300人に社会の結束を図る事業による支援を提供することになると見込まれます。
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