フォーマル経済への移行
ギリシャの政労使が無申告労働抑制に向けた行程表で合意
2016年10月31日
ギリシャでは無申告労働が広く見られ、その規模は国内総生産(GDP)の25%に迫ると見られます。ギリシャの政労使はこのたび、この問題に取り組む行程表について合意に達しました。この合意は、欧州委員会の任意資金拠出を受けてILOが実施している「ギリシャの非公式(インフォーマル)から公式(フォーマル)経済への移行支援・無申告労働対策プロジェクト」による実態分析とそれを巡って行われた実効的な社会対話に基づいています。
2016年7月に開かれた会合で政労使から承認された『Diagnostic report on undeclared work in Greece(ギリシャの無申告労働に関する実態分析報告・英語)』は、若者や経済的に困難な人々で構成される低層集団と弁護士や医師、会計士などの高技能専門職からなる高層集団を中心に、ギリシャではあらゆる職業分類で無申告労働が見られる実態を明らかにしています。2013年のユーロバロメーター調査を引用し、報告書はこの無申告労働の67.3%が賃金雇用(13.3%が全く無申告、54%が過少申告)、10.2%が自営業、22.5%が近しい社会関係の人に対する特別の配慮に対する見返りで構成されると記しています。自営業や中小企業の割合が高いことも無申告経済の規模が大きい理由に挙げられています。無申告労働を推進する要素として、報告書は公式機構の破綻が市民に違法なものを社会的に許容できると考えさせるように至らせた状況を特に強調しています。
報告書は、処罰の厳格化、賃金外コストの削減、官僚主義的な義務やお役所仕事の制限など、近年講じられている措置を認めつつも、無申告労働を減らし、純粋に抑圧に基づく手法を避けるためには、一層の奨励措置と効果的な啓発キャンペーンが必要と記し、無申告労働削減に向けた国家行動計画の必要性を説き、より効果的な抑止措置に加え、企業のフォーマル経済移行を促進する様々な奨励措置を提案しています。報告書には、一人当たりGDPの下落傾向の是正、政府の質の改善と腐敗のさらなる削減、拡大する所得不平等を縮小に向かわせる、より効果的で対象を定めた社会移転制度を構築し、脆弱な集団をさらに助けるであろう労働市場介入策への支出増、より対象を絞った監督活動、税や労働、社会保障分野の監督官の訓練向上、利用者にもっと優しくなる方向に向けた公務部門改革など、インフォーマルからフォーマル経済への移行を円滑化する可能性がある政策及び措置に関する実践的な手引きと戦略を示す「2015年のインフォーマルからフォーマル経済への移行勧告(第204号)」に基づく25の政策提案が盛り込まれています。
2016年10月26日に開かれたワークショップにおいて、労働・社会保障・社会連帯省、ギリシャ労働総同盟(GSEE)、ヘレニック企業連盟(SEV)、ヘレニック商業起業家連合(ESEE)、ヘレニック専門職・職人・商人連合(GSEVEE)、ギリシャ観光企業連盟(SETE)によって採択された行程表は、この勧告を具体化する道筋を示しています。2016~19年の期間におけるギリシャの無申告労働に対する戦いを支える、相互に関連した一連の行動を含む行程表は、1)適切な法規定に依拠し、ギリシャの無申告労働に対処する総合的な戦略的取り組みに対する責任を負う政労使三者構成の常設社会対話機関と2)様々な執行機関間でのデータ交換を可能にするデータベースの相互運用性の二つの柱を基盤としています。
]ハインツ・コラーILO欧州・中央アジア総局長は、この行程表について、「ギリシャの無申告労働抑制に向けた取り組みを相当に増大させる大きな一歩」と評価し、「この労働形態を、申告経済から除外された人々の生き残り戦略ととらえるような見方」を避ける助けになることへの期待を示しています。
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以上はアテネ発英文記者発表の抄訳です。