国連総会

ガイ・ライダーILO事務局長ニューヨーク滞在記:グリーン・ジョブ、仕事の未来に向けた人間中心の取り組み、暴力・ハラスメント撲滅など

2019年10月04日

 2019年9月22~25日にニューヨークを訪れたガイ・ライダーILO事務局長は多忙な一週間を過ごしました。23日に開かれた国連気候行動サミットや国連総会に出席し、仕事の未来や若者の就労、暴力・ハラスメント条約(第190号)の批准促進に関する複数のイベントで講演し、国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局と協力関係の強化に向けた覚書を、同一賃金国際連合(EPIC)に関する協定を国連女性機関(UN Women)及び経済協力開発機構(OECD)と締結し、ブルームバーグやCNNの番組に出演しました。

 気候行動サミットでは、50カ国近くから公正な移行に向けた行動計画の策定に対する公約が示されました。ILOがフォード財団と共催して23日に開かれた「仕事の未来を形作る解決策の動員に関するリーダーズ・イベント」では、仕事の未来世界委員会の共同委員長を務めたスウェーデンのステファン・ロヴェーン首相が基調講演を行い、仕事の未来には政労使三者による取り組みが不可欠なことや、人間を中心に据えた未来を形成する上での社会対話の重要性について熱心に訴えました。エストニアのケルスティ・カリユライド大統領は科学技術が伝統的な仕事を変化させ、新しい仕事を生み出していることを指摘しました。国際労働組合総連合(ITUC)や国際使用者連盟(IOE)、オックスファム・インターナショナルなどからハイレベル代表が参加したイベントは、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を中核に据えた持続可能で豊かな仕事の未来は可能であるものの、解決策の革新的な再考が必要なことに合意しました。

 ロシアの労働・社会的保護省とルクオイル社と共催して同じく23日に開かれた「若者のための仕事の未来:若者の就労のための戦略的パートナーシップ・イベント」において、ライダー事務局長は仕事の世界の変化の影響を最も感じているのは若者であると指摘し、若者の人間らしく働きがいのある仕事の実現に向けたILOの公約について説明しました。イベントにはロシア、ウズベキスタン、アゼルバイジャンのハイレベル政労使代表に加え、エクアドルや南アフリカ共和国の大臣も出席し、民間セクターとのつながりを強化する必要性が強調されました。出席者間の経験共有からは人間らしく働きがいのある仕事を探す若者にとってパートナーシップは多大な機会を提示することが示されました。

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は24日に行った第74回国連総会一般討論の開会演説で、とりわけ若者にディーセント・ワークを創出する必要性や社会的保護の重要性に光を当てました。また、機械が仕事に与える影響などについての人々の懸念を認め、人間には社会的保護と人間らしく働きがいのある仕事を伴った尊厳ある生活水準と福祉に向けた権利があることを明確にしました。

 ライダー事務局長は9月25日に開かれた、第190号条約の批准促進ハイレベルイベントで開会演説を行い、この画期的な国際基準について説明しました。イベントに出席したナミビア、スペイン、アルゼンチンの大臣や政府代表は、労働者の保護は、より持続可能で包摂的なディーセント・ワークに結びつくであろうことを強調し、暴力とハラスメントといった問題では性的側面が大きな意味を持つことに注意を喚起しました。オープン・ソサエティ財団(OSF)のカビタ・ラムダス女性の権利プログラム長は第190号条約について、「公正な仕事の未来に向けた真の集団的な公約」と評価しました。C&Aメキシコ社の最高執行責任者(CEO)や国連グローバル・コンパクトからも第190号条約に対する支持が表明されました。一般の人々にとっても仕事の世界における暴力とハラスメントに終止符を打つことは優先事項の一つであることを明白に示すものとして、第190号条約の批准を政府に求める署名を呼びかけている市民運動のグローバル・シティズンから4万筆近い署名が既に集まったことが報告されました。

 ナミビアは9月28日にニューヨークで開かれたグローバル・シティズンの年恒例のフェスティバルで第190号条約の批准に向けた意向を明らかにしました。ILO加盟国による公式の批准意思表明はこれが初めてです。

 以上は次の2点の広報資料の抄訳です。