ILOのグリーン化
カーボン・ニュートラル、環境に優しい持続可能な建物、リサイクル、ペーパーレス:より環境に優しい存在を目指すILOの取り組み
2021年11月01日
国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の接近によって、気候変動のリスクと環境の持続可能性が至上命題であることに世界の注目が集まっています。国連システムは炭素排出量を制限する国際的な努力の調整を図っており、ILOは気候行動と環境に優しいグリーン・ジョブを後押しする国連の「仕事のための気候行動イニシアチブ」を主導しています。
政策主導に加え、ILOはまた、自らの組織の持続可能性を高め、二酸化炭素の排出量と吸収量が相殺されたカーボン・ニュートラルな状態を達成するために一連の具体的な行動を実施しています。このILOの取り組みは「ブルーを(シンボルカラーとする国連を)グリーンにしよう」と唱える国連システム内のより幅広い戦略の一部です。2007年に当時の潘基文国連事務総長が国連の諸機関、基金、事業計画全体に向けて発したこの「グリーンで行こう」の呼びかけは、炭素排出量の削減と相殺活動を組み合わせて2020年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにする気候中立を達成することを目標としていました。ILOでもそのすぐ後に「ILOをグリーンにする」イニシアチブを発表し、ジュネーブの本部と国別事務所網の両方においてカーボン・フットプリント(二酸化炭素排出量)を計測し、建物や操業が環境に与える影響を減らす行動を導入することによってILOの環境成績を高めることを目指しています。
ILOは『2018~21年ILO環境持続可能性行動計画』に導かれ、環境成績を高める豊富なイニシアチブを実施してきました。エルス・ブラックニエILO庶務局長は、「毎年、本部と48の現地事務所が『ブルーをグリーンにする』イニシアチブの傘の下、環境目録を記録していますが、この作業はILOの環境に対する影響を数量化するだけでなく、環境成績を高める取り組みに焦点を当てる助けになっており、複数の分野で気候中立性の達成という目標に向けた取り組みの加速化が図られています」と説明し、「ILOは可能な限り環境を保護し、自らの影響を減らすよう努めています」と述べています。調達ポリシーやコンピュータ機器の利用を含み、建物の改築から廃棄物処理に至る持続可能性改善と資源管理最適化に向けた包括的な取り組みが採用されています。
ILOはこの組織の業務運営を改善し、より環境に優しいものとすることを目標に、2016年に温室効果ガス排出量の低減に向けた取り組みを始め、毎年、ジュネーブの本部と48の現地事務所の排出量を計算し、報告しています。ジュネーブのILO本部では環境に対する影響を減じる複数の措置が実施されており、残りの炭素排出量は認証排出削減量(CERs)クレジットの購入を通じて相殺されています。2020年にILOは、国連システム全体にわたる気候中立性の達成という目標に沿って、初めてカーボン・ニュートラル状態の達成を確認しました。
ムスタファ・カマル・グイエILOグリーン・ジョブ・ユニット長は、「新型コロナウイルスの世界的大流行が私たちの世界と経済の脆弱性に関する意識を高めることになりました」と指摘し、したがって「ILOでカーボン・ニュートラルな状態を達成できたのは非常に時宜を得たものであり、よりグリーンで、より持続可能な世界と職場の構築に向けた努力を続ける所存です」と述べています。
ジュネーブのILO本部は2015年3月に開始した改築工事でも環境に対する懸念を中心事項に据え、自然採光の利用を最適化し、省エネを心がけ、より近代的かつより安全でよりグリーンな建物とする工事が進められています。マーク・アンダーヒルILO建物改築プロジェクト長は、「改築プロジェクトはその中核的な目標の一つとして、建物の運営に用いられるエネルギーを大幅に削減し、運営措置に沿って、ILOの環境フットプリントの削減に引き続き努める予定です」と説明します。
環境の持続可能性を高めるILOの取り組みのカギを握る要素として、廃棄物管理が挙げられます。ジュネーブのILO本部では主要廃棄物の流れのリサイクルを増すことを目的として、廃棄物の中央管理体制が実施されています。バンコクに位置するILOアジア太平洋総局はさらに一歩進んでおり、事務所が置かれている国連アジア太平洋経済社会委員会(UN-ESCAP)のビルでは使い捨てプラスチックの利用が禁止されており、使い捨て食器類の提供も行われていません。
10のILO現地事務所が効果的な廃棄物管理行動を育み実施するパイロット・イニシアチブに参加しています。加えて、ジュネーブ本部を含む多くのILO事務所が印刷削減方針や職員食堂からの使い捨てプラスチックの撤去、職員のボトル持参が可能なように濾過飲料水を提供するなどといった廃棄物削減イニシアチブを導入しています。
さらに、書類の生産・配布に関するペーパースマート・ポリシーが導入され、◇環境に対する影響が低減された、より高性能のプリンターをILO本部の印刷所に設置、◇業績作業計画の実施による印刷所から出る紙ゴミの削減、◇公式電子通信の利用増(2016年に37.5%増、2017年に41.3%増)などの成果が達成されています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。