労働組合の権利

エジプトにおける結社の自由に対してライダーILO事務局長が懸念を表明

2016年04月08日

 ガイ・ライダーILO事務局長は、このたび、アブドゥルファッターハ・エルシーシ・エジプト大統領に書簡を送り、同国で人権及び労働組合の権利が脅かされていることに対する懸念を表明しました。

 エジプトは1950年代にILOの結社の自由及び団結権保護条約(第87号)団結権及び団体交渉権条約(第98号)を批准していますが、数年前から国内法制、とりわけ1976年の労働組合法(第35号)と条約の不整合が指摘されています。ILO総会は2008年から結社の自由の権利の完全な尊重を確保するために新たな労働組合法を制定するよう求めてきました。政府は結社の自由に関する新たな法が成立しない間も、第87号条約に基づく国際的な義務に従い、独立系労働組合を含む国内のすべての労働組合が完全に自由に活動を行い、役員を選出できるよう確保することを公約してきました。2015年6月の第324回ILO理事会で採択された結社の自由委員会の報告書は、新たに設立された多数の独立系労働組合に明確な法律上の保護を与え、結社の自由の権利の完全な尊重を確保するために、最優先事項として労働法の成立に取り組むよう強い期待を表明し、この点で引き続き、ILO事務局の技術支援を活用することを奨励しています。

 ところが今年2月4日、カイロで労働組合と結社の自由について調査していた英ケンブリッジ大学博士課程のイタリア人学生ジュリオ・レジェーニ氏(28歳)が死亡しているのが発見され、遺体に拷問の跡が残されていたことから、3月の第326回理事会で労働者側グループは「エジプトで人権と労働組合の権利が脅かされている」と強い怒りを表明し、事件の独立調査を要求しました。

 以上のような経緯を経て送られた書簡においてライダー事務局長は、レジェーニ氏の死を巡る「あらゆる事実の速やかな解明」を政府に強く求めています。事務局長はまた、自由意思で批准し、あらゆる国家機関が尊重すべき結社の自由に関する国際労働条約の適用を確保することは「政府の責任」であると強調し、最近出された独立系労働組合の公式承認禁止令の撤回を求めました。これは、組合による公式文書の発行を制約し、団体交渉を禁止し、組合指導者を解雇と逮捕のリスクにさらすものとなっており、したがって、第87号条約と第98号条約の重大な違反を構成しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。