簡易影響評価

アフガニスタンの雇用危機を明確に示す推計をILOが発表

2022年01月19日

 ILOからこの度発表された概説資料「Employment prospects in Afghanistan: A rapid impact assessment(アフガニスタンの雇用展望:簡易影響評価・英語)」は、2021年8月の政権交代後にアフガニスタンでは雇用が大きく減少し、職を失った人が2021年第3四半期には50万人を超え、2022年半ばまでに90万人に達する可能性があると記しています。2022年半ばまでに14%減となるこの収縮は、政権交代とその後の経済危機、さらに女性の職場参加に対する制限によって労働者が雇用市場から押し出されている現実を反映しています。

 合計実労働時間は2021年第3四半期に、政権交代がなかったと仮定した場合より13%減少したと推定されます。危機の影響は女性労働者に不均衡に大きく、以前から既に世界水準を大幅に下回っていた女性の就業率(2020年全国平均17%)は2021年第3四半期にさらに16%下落したと見られ、悲観的な見通しでは、2022年半ばまでに最大28%減に達すると予想されます。

 政権交代後に打撃を受けている主な産業部門としては、農業、公務、建設産業などが挙げられ、いずれも大規模な就業者減あるいは給与未払いが発生しています。

 ILOは引き続き、緊急雇用、雇用集約型投資、企業振興、技能開発に重点を置きながら、アフガニスタンの人々の生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進していく所存です。

 ラミン・ベヘザードILO駐アフガニスタン上級調整官は、アフガニスタン情勢は危篤状態にあり、安定と回復のための即時の支援が求められるとして、「優先されるべきは即時の人道上の必要に対する対応ですが、永続する包摂的な回復は、人々と社会が人間らしく働きがいのある就労機会、生計手段、基本的なサービスを得られるか否かにかかっています」と訴えています。

 9ページの短い概説資料は、2021年8月半ばに起こった政権交代がアフガニスタンの雇用と労働時間に与えた影響を簡潔にまとめた上で、前進に必要な措置を提案しています。

 以上はILOアジア太平洋総局によるバンコク発英文記者発表の抄訳です。