1988年の建設業における安全健康条約(第167号)
1988年06月20日
建設業における安全及び健康に関する条約(第167号)
(日本は未批准、仮訳)
国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百八十八年六月一日にその第七十五回会期として会合し、
関連する国際労働条約及び勧告、特に千九百三十七年の安全規定(建築業)条約及び勧告、千九百三十七年の災害予防協力(建築業)勧告、千九百六十年の放射線からの保護に関する条約及び勧告、千九百六十三年の機械防護条約、千九百六十七年の最大重量条約及び勧告、千九百七十四年の職業がん条約及び勧告、千九百七十七年の作業環境(空気汚染、騒音及び振動)条約及び勧告、千九百八十一年の職業上の安全健康条約及び勧告、千九百八十五年の職業衛生機関条約及び勧告、千九百八十六年の石綿条約及び勧告並びに千九百六十四年の業務災害給付条約に附属する千九百八十年に改正された職業病の一覧表に留意し、
前記の会期の議事日程の第四議題である建設業における安全及び健康に関する提案の採択を決定し、
その提案が千九百三十七年の安全規定(建築業)条約を改正する国際条約の形式をとるべきであることを決定して、
次の条約(引用に際しては、千九百八十八年の建設業における安全健康条約と称することができる。)を千九百八十八年六月二十日に採択する。
第 一 部 適用範囲及び定義
第 一 条
1 この条約は、現場の準備から事業の完了までの建設現場におけるすべての工程、作業及び運搬を含むすべての建設活動、すなわち、建築、土木並びに組立て及び解体作業について適用する。
2 この条約を批准する加盟国は、関係のある最も代表的な使用者団体及び労働者団体が存在する場合には、それらの団体と協議の上、安全で健康的な作業環境が維持されることを条件として、重要性を有する特殊な問題が生ずる特定の経済活動部門又は特定の事業をこの条約又はこの条約の一定の規定の適用から除外することができる。
3 この条約は、また、国内法令に明示する自営業者についても適用する。
第 二 条
この条約の適用上、
(a) 「建設」とは、次のものを対象とする。
(i) すべての種類の建築物又は構造物の建築(掘削及び建設を含む。)、構造的変更、修繕、修理、保守(清掃及び塗装を含む。)及び解体
(ii) 例えば、空港、埠頭(ふとう)、港湾施設、内陸水路、ダム、治山治水建造物、道路及び高速道路、鉄道、橋、トンネル、高架橋並びに通信、排水、下水、水道、エネルギー供給等のサービスの提供に関連する建造物の土木工事(掘削及び建設を含む。)、構造的変更、修理、保守及び解体
(iii) プレハブ建築物及び構造物の組立て及び解体並びに建設現場におけるプレハブ部品の製造
(b) 「建設現場」とは、(a)に規定する工程又は作業が行われる現場をいう。
(c) 「作業場」とは、労働者が作業のためにいる必要があり又は行く必要があるすべての場所で、(e)に定義する使用者の管理の下にあるものをいう。
(d) 「労働者」とは、建設業に従事する者をいう。
(e) 「使用者」とは、次の者をいう。
(i) 建設現場において一人以上の労働者を雇用する自然人又は法人
(ii) 状況により、主要な請負業者、請負業者又は下請業者
(f) 「権限のある者」とは、特定の作業を安全に行うための適切な訓練並びに十分な知識、経験及び技能等適切な資格を有する者をいう。権限のある機関は、その者の指名のための適当な基準を定めその者に課す義務を決定することができる。
(g) 「足場」とは、労働者及び材料を支えるため又はそのような構造物に接近するために用いられる定置式、吊(つ)り下げ式又は移動式のすべての一時的な構造物及びその支持部分であって、(h)に規定する「荷揚用機械」に該当しないものをいう。
(h) 「荷揚用機械」とは、人又は荷を揚げ又は下ろすために用いられるすべての固定式又は移動式の機械をいう。
(i) 「荷揚げ用具」とは、荷揚用機械に荷を取り付けることのできる用具又は複合滑車であって、荷揚用機械又は荷の不可分の一部を成さないものをいう。
第 二 部 一般規定
第 三 条
関係のある最も代表的な使用者団体及び労働者団体は、この条約を実施するためにとられる措置に関して協議を受ける。
第 四 条
この条約を批准する加盟国は、関係する安全上及び健康上の危険性の評価に基づいて、この条約の適用を確保する法令を採択し及び実施することを約束する。
第 五 条
1 前条の規定に基づいて採択された法令は、技術的基準若しくは実施基準を通して又は国内の事情及び慣行に適合する他の適当な方法により、その実質的な適用を定めることができる。
2 加盟国は、前条及び1の規定を実施する上で、基準化の分野で認められた国際機関により採用された関連する基準を十分に考慮する。
第 六 条
建設現場における安全及び健康を促進するため、国内法令に定める措置に従い、使用者と労働者との協力を確保する措置をとる。
第 七 条
国内法令は、使用者及び自営業者が作業場において所定の安全及び健康のための措置を遵守する義務を負うことを定める。
第 八 条
1 二人以上の使用者が同一の建設現場で同時に活動を行う場合には、
(a) 主要な請負業者又は建設現場での活動の全体を実際上管理し若しくはそれについての主要な責任を有する他の者若しくは団体は、所定の安全及び健康のための措置を調整する責任及び国内法令に適合する限りその措置の遵守を確保する責任を負う。
(b) 国内法令に適合する限り主要な請負業者又は建設現場での活動の全体を実際上管理し若しくはそれについての主要な責任を有する他の者又は団体が作業現場にいない場合には、自己に代わって(a)に規定する安全及び健康のための措置の調整及び遵守を確保するために必要な権限及び手段を有する現場における権限のある者又は団体を指名する。
(c) 使用者は、それぞれ、自己の管理の下にある労働者について、所定の安全及び健康のための措置の適用について責任を有する。
2 使用者又は自営業者が同一の建設現場で同時に活動を行う場合には、国内法令に定めるところに従い所定の安全及び健康のための措置の適用に当たって協力する義務を負う。
第 九 条
建設事業の設計及び計画に関係している者は、国内の法令及び慣行に従い、建設労働者の安全及び健康を考慮する。
第 十 条
国内法令は、労働者が、作業場において設備及び作業方法を自己の管理する範囲内において安全な労働条件の確保に参加し、採用された作業手続に関してそれが安全及び健康に影響する限りにおいて意見を表明する権利及び義務を有することを定める。
第 十 一 条
国内法令は、労働者が次の義務を負うことを定める。
(a) 所定の安全及び健康のための措置の運用に当たり、使用者とできる限り緊密に協力すること。
(b) 自己の安全及び健康並びに自己の業務上の作為又は不作為により影響を受ける他人の安全及び健康に合理的な注意を払うこと。
(c) 自由に使用し得る施設を利用し、自己の保護又は他人の保護のために提供されたものを誤用しないこと。
(d) 労働者が危険の可能性があると思い、かつ、独力では適切に処置することができない事態は、直接の監督者及び、存在する場合には、労働者の安全のための代表者に直ちに報告すること。
(e) 所定の安全及び健康のための措置に従うこと。
第 十 二 条
1 国内法令は、労働者が、自らの安全及び健康に対する急迫した重大な危険があると信ずるに足りる十分な理由がある場合には、危険から退避する権利を有すること及び直ちに監督者にその旨を報告する義務を有することを定める。
2 労働者の安全に急迫した危険がある場合には、使用者は、操業を停止し、労働者を適当に避難させる措置を直ちにとる。
第 三 部 予防的及び保護的措置
第 十 三 条
作業場の安全
1 すべての作業場が安全で労働者の安全及び健康を阻害する危険性がないことを確保するため、あらゆる適当な予防措置をとる。
2 すべての作業場について、接近の際の安全な手段を施し、維持し、適当な場合には、表示する。
3 建設現場又はその近傍にいる者を当該現場から生ずるすべての危険から保護するため、あらゆる適当な予防措置をとる。
第 十 四 条
足場及びはしご
1 地面で若しくは地面から又は建築物若しくは他の恒久的構造物の一部から作業を安全に行うことができない場合には、安全で適切な足場を設置し及び維持し又はそれと同様に安全で適切な設備を設ける。
2 高い作業場への接近の際の安全な他の手段がない場合には、適切で堅牢(ろう)なはしごを設置する。はしごは、不注意な移動から十分に守られる。
3 すべての足場及びはしごは、国内法令に従って建設し、使用する。
4 足場は、国内法令に定める場合及び時期に、権限のある者が検査する。
第 十 五 条
荷揚用機械及び荷揚用具
1 すべての荷揚用機械及び荷揚用具(構成部品、附属物、固定具及び支持具を含む。)は、
(a) 使用目的に対し、優れた設計及び構造で、堅牢(ろう)な材料のものであり、適切な耐久力を有する。
(b) 適切に設置し、使用する。
(c) 良好な作動状態に維持する。
(d) 国内法令に定める時期及び場合に、権限のある者によって検査し及び試験し並びにその検査及び試験の結果を記録する。
(e) 国内法令に従って適切な訓練を受けた労働者が操作する。
2 重大な人的障害又は惨事が起こるおそれのある緊急事態の場合であり、かつ、荷揚用機械を安全に使用することができる場合を除くほか、荷揚用機械は、国内法令に従い、人を揚げ下ろし又は運ぶ目的で建築され、設置され及び使用されていない限り、人の揚げ下ろし又は運搬に使用してはならない。
第 十 六 条
運搬、土砂運搬設備及び材料処理の設備
1 すべての車両及び土砂運搬設備又は材料処理の設備は、
(a) 人間工学的原理をできる限り考慮に入れた優れた設計及び構造から成る。
(b) 良好な作動状態に維持する。
(c) 適切に使用する。
(d) 国内法令に従って適切な訓練を受けた労働者が操作する。
2 車両、土砂運搬設備又は材料処理設備が使用されるすべての建設現場において、
(a) 車両、土砂運搬設備又は材料処理設備のため安全かつ適切な接近の通路を設ける。
(b) 車両、土砂運搬設備又は材料処理設備の安全な運行を確保するよう通行を系統化し、管理する。
第 十 七 条
プラント、機械、用具及び手工具
1 プラント、機械及び手工具を含む用具(手動であるか電動であるかを問わない。)は、
(a) 人間工学的原理をできる限り考慮に入れた優れた設計及び構造から成る。
(b) 良好な作動状態に維持する。
(c) 当初設計された目的以外の使用について権限のある者が評価の上当該使用を安全であると結論しない限り、当初設計された目的のみに使用する。
(d) 適切な訓練を受けた労働者が操作する。
2 安全な使用のための十分な指示は、適当な場合には、使用する者に理解される形式で、製造者又は使用者が提供する。
3 与圧機の装置及び用具は、国内法令に定める場合及び時期に、権限のある者により、検査し及び試験する。
第 十 八 条
高所での作業(屋上作業を含む。)
1 危険防止が必要な場合又は構造物の高さ若しくは傾斜が国内法令に定める範囲を超える場合には、労働者の転落及び工具その他の物又は材料の落下を防止するための措置をとる。
2 労働者がもろい材料で覆われた屋上、その付近又は他の場所で作業する必要があり、その材料の物を貫いて墜落するおそれがある場合には、労働者が不注意にもろい材料の物を踏み又は貫いて墜落することを防止するための措置をとる。
第 十 九 条
掘削、立坑、土工、地下作業及びトンネル
すべての掘削、立坑、土工、地下作業又はトンネルにおいて、
(a) 土、岩その他の物質の落下又は移動による労働者への危険を防止するため、適切な支柱で支えること又は他の方法により、
(b) 人、物質若しくは物の落下又は掘削、立坑、土工、地下作業若しくはトンネルへの水の流入から生ずる危険を防止するため、
(c) 呼吸に適した空気を維持し、煙、ガス、粉じんその他の不純物を健康への危険又は障害とならない水準及び国内法令に定める範囲内の水準に制限するようすべての作業場における十分な換気を確保するため、
(d) 火災又は水若しくは物質の流入の際に労働者が安全に避難することができるようにするため、
(e) 流動体の対流及びガスの空隙(くうげき)等地下において生ずることのある危険を発見するための適当な調査を実施することにより、それらの危険から労働者を保護するため、適切な予防措置をとる。
第 二 十 条
コッファーダム及びケーソン
1 すべてのコッファーダム及びケーソンは、
(a) 優れた構造で、適切かつ堅牢(ろう)な材料のものであり、十分な耐久力があるものとする。
(b) 水又は物質が流入した際に労働者が安全に避難するための適切な措置がとられるものとする。
2 コッファーダム及びケーソンの建設、配置、変更又は取外しは、権限のある者の直接の監督下においてのみ行う。
3 すべてのコッファーダム及びケーソンは、所定の間隔で、権限のある者が点検する。
第 二 十 一 条
圧縮空気下での作業
1 圧縮空気下での作業は、国内法令に定める措置に従ってのみ行う。
2 圧縮空気下での作業は、健康診断によりその作業に対する肉体的な適正が立証されている労働者によってのみ、かつ、権限のある者が作業の処理を監督するために立ち会っている場合に行う。
第 二 十 二 条
構造物の骨組及び型枠
1 構造物の骨組及び構造部分、型枠、仮構並びに支保工の組立ては、権限のある者の監督下においてのみ行う。
2 構造物の一時的なもろさ又は不安定な状態から生ずる労働者への危険を防止するため、適切な予防措置をとる。
3 型枠、仮構及び支保工は、それにかかる全荷重を安全に支持するように設計し、建設し及び維持する。
第 二 十 三 条
水上作業
作業が水上で又は水に極めて接近して行われる場合には、次の事項について適切な措置をとる。
(a) 労働者の水中への転落の防止
(b) 溺死(できし)の危険のある労働者の救助
(c) 安全かつ十分な輸送
第 二 十 四 条
解体
建築物又は構造物の解体が労働者及び公衆に危険をもたらすおそれのある場合には、
(a) 国内法令に従って、廃棄物及び残余物の処理を含む適当な予防措置、方法並びに手続を採用する。
(b) 作業は、権限のある者の監督下においてのみ計画し、実行する。
第 二 十 五 条
照明
すべての作業場及び労働者が通行することのある建設現場のその他の場所に、十分かつ適切な照明(適当な場合には、携帯用の照明を含む。)を設ける。
第 二 十 六 条
電気
1 すべての電気器具及び装置は、権限のある者が建設し、設置し及び維持し、並びに危険を防止するために使用する。
2 建設工事開始前及び建設工事中、現場の空中、地上又は地下の活線又は電気器具による労働者への危険を確認し及び防止するための適切な措置をとる。
3 建設現場内の電線及び電気器具の敷設及び保守は、国内において適用される技術的規則及び基準により規制する。
第 二 十 七 条
爆発物
爆発物は、次の場合を除くほか、貯蔵せず、輸送せず、取り扱わず、又は使用しない。
(a) 国内法令に定める条件に従い、かつ、
(b) 権限のある者(労働者及び他の者が傷害の危険にさらされないことを確保するために必要な措置をとるものとする。)が行う場合
第 二 十 八 条
健康に対する危険
1 労働者が、その健康に危険を及ぼすおそれのある程度に化学的、物理的又は生物学的な危険にさらされるおそれのある場合には、これを防止するため適当な予防措置をとる。
2 1に規定する予防措置には、次のいずれかの措置を含む。
(a) 可能な場合には、有害物質を無害な又は一層害の少ない物質に代替すること。
(b) プラント、機械、用具又は工程に適用される技術的措置
(c) (a)又は(b)の規定の実施が不可能な場合には、個人用保護具及び保護衣の使用を含むその他の効果的な措置
3 有毒又は有害な物質が存在し、酸素が欠乏し又は可燃性の気体が存在する区域に労働者が立ち入る必要がある場合には、危険を防止するための適当な措置をとる。
4 建設現場において、廃棄物を健康に危険を及ぼすおそれのある方法で破壊し又は処理してはならない。
第 二 十 九 条
火災予防
1 使用者は、次の目的のためにあらゆる適当な措置をとる。
(a) 火災の危険を防止すること。
(b) 火災の発生に対し迅速かつ効率的に対処すること。
(c) 人々を迅速かつ安全に避難させること。
2 可燃性の液体、固体及びガスの十分かつ適切な貯蔵施設を設置する。
第 三 十 条
個人用保護具及び保護衣
1 事故又は健康障害の危険(有害な状態にさらされることを含む。)に対する十分な保護を他の措置により確保することができない場合には、使用者は、作業及び危険の種類を考慮して、国内法令に定めるところに従い労働者に無料で適切な個人用保護具及び保護衣を提供し、維持する。
2 使用者は、労働者が個人用保護具を使用することができるように適当な手段を提供し、その適切な使用を確保する。
3 保護具及び保護衣は、権限のある機関ができる限り人間工学的原理を考慮して定める基準に適合したものとする。
4 労働者は、自己の使用に提供された個人用保護具及び保護衣を適切に使用すること及び適切に手入れをすることを求められる。
第 三 十 一 条
応急手当
使用者は、応急手当(十分に訓練された職員を含む。)をいつでも利用することができるよう確保する責任を負う。事故に遭い又は突然の疾病にかかった労働者の医療のための移動を確保するための措置をとる。
第 三 十 二 条
福祉
1 すべての建設現場に又はそこから無理なく接近することのできる範囲内に、衛生的な飲料水を十分に供給する。
2 すべての建設現場に又はそこから無理なく接近することのできる範囲内に、労働者数及び作業期間に応じ、次の福祉施設を提供し、維持する。
(a) 衛生及び洗浄のための施設
(b) 更衣施設並びに衣類の収納及び乾燥のための施設
(c) 食事をとるための施設及び悪天候のために作業が中断している間避難するための収容施設
3 男子労働者及び女子労働者に対しては、区分された衛生及び洗浄のための施設を供給すべきである。
第 三 十 三 条
情報及び訓練
労働者は、十分かつ適切に、
(a) 作業場においてさらされることのある潜在的な安全及び健康上の危険について知らされる。
(b) (a)の危険の防止、管理及び危険からの保護に関して、利用可能な措置について指導され、訓練を受ける。
第 三 十 四 条
事故及び疾病の報告
国内法令は、所定の期間内に労働災害及び職業病を権限のある機関に報告することを定める。
第 四 部 実施
第 三 十 五 条
加盟国は、次のことを行う。
(a) この条約の効果的な実施を確保するために、適当な制裁及び是正措置の規定を含むあらゆる必要な措置をとること。
(b) この条約に基づいてとられる措置の適用を監督する適当な監督業務を設け、その業務に対し、任務の遂行に必要な財源を供給し、又は適当な監督が実施されることを確保する。
第 五 部 最終規定
第 三 十 六 条
この条約は、千九百三十七年の安全規定(建築業)条約を改正するものである。
第 三 十 七 条
この条約の正式な批准は、登録のため国際労働事務局長に通知する。
第 三 十 八 条
1 この条約は、国際労働機関の加盟国でその批准が国際労働事務局長に登録されたもののみを拘束する。
2 この条約は、二の加盟国の批准が事務局長に登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。
3 その後は、この条約は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。
第 三 十 九 条
1 この条約を批准した加盟国は、この条約が最初に効力を生じた日から十年を経過した後は、登録のため国際労働事務局長に送付する文書によってこの条約を廃棄することができる。廃棄は、登録された日の後一年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した加盟国で、1の十年の期間が満了した後一年以内にこの条に定める廃棄の権利を行使しないものは、その後更に十年間拘束を受けるものとし、十年の期間が満了するごとに、この条に定める条件に従ってこの条約を廃棄することができる。
第 四 十 条
1 国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟国から通知を受けたすべての批准及び廃棄の登録をすべての加盟国に通告する。
2 事務局長は、通知を受けた二番目の批准の登録を国際労働機関の加盟国に通告する際に、この条約が効力を生ずる日につき加盟国の注意を喚起する。
第 四 十 一 条
国際労働事務局は、国際連合憲章第百二条の規定による登録のため、前諸条の規定に従って登録されたすべての批准及び廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。
第 四 十 ニ 条
国際労働機関の理事会は、必要と認めるときは、この条約の運用に関する報告を総会に提出するものとし、また、この条約の全部又は一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を検討する。
第 四 十 三 条
1 総会がこの条約の全部又は一部を改正する条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規定がない限り、
(a) 加盟国によるその改正条約の批准は、その改正条約の効力発生を条件として、第三十九条の規定にかかわらず、当然にこの条約の即時の廃棄を伴う。
(b) 加盟国による批准のためのこの条約の開放は、その改正条約が効力を生ずる日に終了する。
2 この条約は、これを批准した加盟国で1の改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。
第 四 十 四 条
この条約の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。