1976年の雇用継続(船員)条約(第145号)
1976年10月28日
船員の雇用の継続に関する条約(第145号)
(日本は未批准、仮訳)
| 国際労働機関の総会は、国際労働事務局の理事会によりジュネーヴに招集されて、二千二十一年六月十八日にその第百九回会期として会合し、八本の国際労働条約の廃止並びに十本の国際労働条約及び十一本の国際労働勧告の撤回に関する提案を検討し、二千二十一年六月十八日に、千九百七十六年の雇用継続(船員)条約(第百四十五号)の廃止を決定する。国際労働事務局長は、この本文書廃止の決定を、国際労働機関の全加盟国及び国際連合事務総長に通知する。この決定の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。 |
国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百七十六年十月十三日にその第六十二回会期として会合し、
千九百七十年の船員雇用(技術的発展)勧告Ⅳ(雇用及び収入の規則性)の規定に留意し、
前記の会期の議事日程の第四議題である船員の雇用の継続に関する提案の採択を決定し、
その提案が国際条約の形式をとるべきであると決定して、
次の条約(引用に際しては、千九百七十六年の雇用継続(船員)条約と称することができる。)を千九百七十六年十月二十八日に採択する。
第 一 条
1 この条約は、船員として恒常的に就労することができる者であつて、年間の主たる収入を船員としての労働によつて得るものについて適用する。
2 この条約の適用上、「船員」とは、国内法、国内慣行又は労働協約により船員と定義される者であつて、次の船舶以外の海上航行船舶に通常乗組員として雇用されるものをいう。
(a) 軍艦
(b) 漁撈(ろう)若しくはこれに直接に関連する作業又は捕鯨その他これに類似する業務に従事する船舶
3 この条約の適用上、いずれの場合に船舶が海上航行船舶として認められるかは、国内法令によつて定める。
4 関係のある使用者団体及び労働者団体は、2及び3に規定する定義の設定及び改正について協議を受け又はその定義の設定及び改正に参加する。
第 二 条
1 海運業を有する各加盟国においては、実行可能な限り、資格を有する船員について継続雇用又は常時雇用を確保し、これにより、船舶所有者に安定的かつ有能な労働力を確保するようにすべての関係者に対して奨励することを国家の政策とする。
2 船員に対し、当該国の経済的及び社会的事情に即した方法及び限度で、最低の雇用期間又は最低の収入若しくは金銭的手当が保証されるようにあらゆる努力が払われるべきである。
第 三 条
前条に定める目的を達成するための措置には、次の措置を含めることができる。
(a) 海運会社又は船舶所有者の協会との間の継続雇用又は常時雇用を規定する契約又は協約
(b) 資格を有する船員の種類別による登録簿又は名簿を作成し、維持することによる雇用の恒常化のための措置
第 四 条
1 船員の雇用継続が登録簿又は名簿を作成し、維持することによつてのみ確保される場合には、これらの登録簿又は名簿には、国内法、国内慣行又は労働協約に定める方法により、すべての職種の船員を含める。
2 登録簿又は名簿上の船員は、船員としての雇入れについて優先権を有する。
3 登録簿又は名簿上の船員は、国内法、国内慣行又は労働協約に定める方法により就労することができることを要求される。
第 五 条
1 登録簿又は名簿上の船員の定数は、国内法令が許容する限度で、海運業の需要に適合した水準に達するよう定期的に検討する。
2 登録簿又は名簿上の定数の削減が必要な場合には、当該国の経済的及び社会的事情を考慮した上で、船員に対する不利益を防止し又は最小限にとどめるため、すべての適切な措置がとられる。
第 六 条
各加盟国は、安全、衛生、厚生及び職業訓練に関する適切な規定が船員について適用されることを確保する。
第 七 条
この条約は、労働協約若しくは仲裁裁定により又は国内慣行に合致するその他の方法によつて実施する場合を除くほか、国内法令によつて実施する。
第 八 条
この条約の正式の批准は、登録のため国際労働事務局長に通知する。
第 九 条
1 この条約は、国際労働機関の加盟国でその批准が事務局長に登録されたもののみを拘束する。
2 この条約は、二の加盟国の批准が事務局長に登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。
3 その後は、この条約は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。
第 十 条
1 この条約を批准した加盟国は、この条約が最初に効力を生じた日から十年を経過した後は、登録のため国際労働事務局長に送付する文書によつてこの条約を廃棄することができる。その廃棄は、登録された日の後一年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した加盟国で、1に定める十年の期間が満了した後一年以内にこの条に規定する廃棄の権利を行使しないものは、更に十年間拘束を受けるものとし、その後は、十年の期間が満了するごとに、この条に定める条件に従つてこの条約を廃棄することができる。
第 十 一 条
1 国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟国から通知を受けたすべての批准及び廃棄の登録をすべての加盟国に通告する。
2 事務局長は、通知を受けた二番目の批准の登録を国際労働機関の加盟国に通告する際に、この条約が効力を生ずる日につき加盟国の注意を喚起する。
第 十 二 条
国際労働事務局長は、国際連合憲章第百二条の規定による登録のため、前諸条の規定に従つて登録されたすべての批准及び廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。
第 十 三 条
国際労働機関の理事会は、必要と認めるときは、この条約の運用に関する報告を総会に提出するものとし、また、この条約の全部又は一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を検討する。
第 十 四 条
1 総会がこの条約の全部又は一部を改正する条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規定がない限り、
(a) 加盟国によるその改正条約の批准は、その改正条約の効力発生を条件として、第十条の規定にかかわらず、当然にこの条約の即時の廃棄を伴う。
(b) 加盟国による批准のためのこの条約の開放は、その改正条約が効力を生ずる日に終了する。
2 この条約は、これを批准した加盟国で1の改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。
第 十 五 条
この条約の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。