1958年の社会的条件及び安全(船員)勧告(第108号)
1958年05月14日
船舶の登録に関連する船員の社会的条件及び安全に関する勧告(第108号)
国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百五十八年四月二十九日にその第四十一回会期として会合し、
この会期の議事日程の第四議題である社会的条件及び安全に関連する船籍移転に関する提案の採択を決定し、
この提案が勧告の形式をとるべきことを決定したので、
次の勧告(引用に際しては、千九百五十八年の社会的条件及び安全(船員)勧告と称することができる。)を千九百五十八年五月十四日に採択する。
労働条件が海上における人命の安全に重要な関係を有することを考慮し、
これまで伝統的海運国と認識されていなかつた国において船舶の膨大なトン数が登録されていることによつて、この問題が特に注目されるようになつてきたことを考慮し、
国際連合海洋法会議により千九百五十八年四月二十九日に採択され、かつ、署名のために開放された公海に関する条約に次の事項に関する規定が含まれていることを考慮し、
(i) 各国が自国の国旗を掲げる船舶を航行させる権利
(ii) 「国と船舶との間には真正な関連が存在していなければならない。特に、国は、自国の国旗を掲げる船舶に対し、行政上、技術上及び社会上の問題について管轄権及び管理を実効的に行使しなければならない。」旨の船舶の国籍に関する条件
(iii) すべての国が、自国の国旗の下にある船舶に対し、適用される国際労働文書を考慮した上、特に船員の配員及び乗組員の労働条件に関し海上の安全を確保するための必要な措置を執らなければならない義務
千九百五十八年の船員の雇入契約(外国船舶)勧告の規定を考慮し、
千九百四十六年の社会保障(船員)条約の規定を考慮し、総会は、次の規定を適用すべきことを勧告する。
登録国は、登録によつて課されるすべての義務を受諾し、かつ、自国の航洋商船に勤務する船員の安全及び福祉のために管轄権及び管理を実効的に行使すべきであり、特に次のことを行うべきである。
(a) 登録国は、登録されているすべての船舶が国際的に認められている安全基準を遵守することの確保を目的とする規則を制定し、かつ、採択すべきである。
(b) 登録国は、登録されているトン数に応じた適当な船舶検査業務について措置を執り、かつ、登録されているすべての船舶について、(a)の規定に基いて制定した規則の同船舶による遵守を確保するため定期的検査を行うようにすべきである。
(c) 登録国は、船員の雇入及び雇止を監督するために必要な政府管理機関を自国領域内及び国外に設置すべきである。
(d) 登録国は、船員の勤務条件が、伝統的海運国により一般的に受諾された基準に従つたものであることを確保し、又は確認すべきである。
(e) 登録国は、他の規定がないときは法令により、自国の船舶内で勤務する船員のために結社の自由を確保すべきである。
(f) 登録国は、自国の船舶内で勤務する船員の送還が伝統的海運国の慣行に従つて適切に行われるよう、法令により確保すべきである。
(g) 登録国は、海技免状の申請者の試験及び同免状の発給について適正かつ十分な措置を執ることを確保すべきである。