1920年の労働時間(内水航行)勧告(第8号)
2014年03月21日
内水航行に於ける労働時間の制限に関する勧告(第8号)
国際労働機関の総会は、
国際労働事務局の理事会に依り千九百二十年六月十五日ジエノアに招集せられ、
右ジエノア総会の会議事項の第一項目たる「一切の工業的企業(海に依る運送及将来決定せらるべき条件の下に内地水路に依る運送を含む。)に於ける労働時間を一日八時間且一週四十八時間に制限する客年十一月華盛頓に於て作成せられたる条約の海員に対する適用、之が乗組定員に付竝船内の設備及衛生に関する規定に付及ぼすべき影響」に関する提案の採択を決議し、且
該提案は勧告の形式に依るべきものなることを決定し、
国際労働機関の締盟国をして立法其の他の方法に依り之が実現を為さしむる目的を以て考慮せしむる為、国際労働機関憲章の規定に従ひ、千九百二十年の労働時間(内水航行)勧告と称せらるべき左の勧告を採択す。
一切の産業国中、「一日八時間又は一週四十八時間の制を実行するに至らざる諸国に於ては其の到達の目標として」各自の特殊事情の許す限り其の制の採用に力むべき旨の国際労働機関憲章中の宣言に鑑み、国際労働総会は、左の通勧告す。
Ⅰ
国際労働機関の各締盟国は、内水航行に使用せらるる労働者の労働時間を国際労働機関憲章中の前記宣言の趣旨に於て制限する法制を未だ設けざるときは、其の法制を制定すべきこと。但し該法制の制定には、当該国に於ける内水航行に特殊なる気候上及産業の状況に適合せしむる為、必要なる特別規定を設くることを妨げず、且関係ある使用者団体及労働者団体との協議を経べきものとす。
Ⅱ
国際労働機関の締盟国にしてその版図が右諸国の船舶の共に利用する水路の沿岸たるものは、右水路に於ける内水航行に使用せらるる者の労働時間を前記宣言の趣旨に於て制限する為、関係ある使用者団体及労働者団体と協議の上取極を為すべきこと。
Ⅲ
前記の国内法制及沿岸国間の取極は、華盛頓国際労働総会に依り採択せられたる労働時間に関する条約の一般原則に能ふ限り従ふべきこと。但し関係国の気候其の他の特殊状況に適合せしむるに必要なる例外を設くることを妨げず。
Ⅳ
本勧告の適用に付国際労働機関の各締盟国は、内水航行と海洋航行との区別を関係ある使用者団体及労働者団体と協議の上各自決定すべく、且其の決定を国際労働事務局に通告すべきこと。
Ⅴ
国際労働機関の各締盟国は、本勧告の趣旨に従ひ執りたる措置をジエノア総会閉会後二年内に国際労働事務局に報告すべきこと。