ILO統計局ブログ:高齢者

高齢者が求職意欲を失っている国上位10カ国

 2019年の国際高齢者デー(10月1日)に際して発表されたILO統計局のブログ記事は、求職意欲を失った高齢者の割合が多い国のトップテンを示しています。1万3,000キロの距離によって隔てられたオーストラリアとチリの共通点は、求職意欲を失った高齢者の割合が多いことです。

2019年10月01日

 国際高齢者デーの2019年10月1日付で発表されたILO統計局のブログ記事は、求職意欲を失った高齢者の割合が多い国のトップテンを示しています。働く意思があり、働ける状態にありながら、労働市場に加わっていない「求職意欲を失った人々(discouraged jobseekers)」のうち、65歳以上の高齢者について、データが得られる世界102カ国のトップにランクされたのはオーストラリアで、求職意欲を失った人の約30%がこの年齢層に該当します。これに続くのは、チリ(29%)、シンガポール(27%)、グアテマラ(26%)、そして一般に生活の質、教育水準が高く、社会的安全網が整っていると見られている北欧諸国のフィンランド(25%)となっています。北欧諸国からはスウェーデンも第8位に入っており、意欲を失った人の22%が高齢者であると見られます。日本(23%)はベトナム(24%)に次いで7位にランクされています。9位はアイルランド(21%)、10位はコスタリカ(17%)です。

 世界的に高齢化が進み、潜在労働力の平均年齢も徐々に上がってきています。寿命が長くなるにつれて、まだ健康で働けるためにあるいは経済的な必要から引退年齢を考え直す人も増えてきています。世界の65歳以上人口は2030年までに若年層を上回り、2017年の1.46倍に増えると予想されています。これは社会を大きく変えるものと見られます。

 求職意欲を失った人々は、自分には適正な資格がないと思ったり自分に合う仕事がないと考えるなどして仕事を探していないため、失業者には算入されていません。

 高齢者が失業者に占める割合は一般に、求職意欲を失った人々に占める割合よりも低く、これは就職機会が拡大してきていると高齢者が見ていない状況を確認させるものとなっています。これは企業側に高齢者を採用する意欲がないことを示す一方で、技能マッチングさえ達成されればあるいは明日の仕事に合うように技能更新が図られた場合、活用できる潜在労働力が豊富に存在することを明らかにしています。

 9月初めに松山で開催された今年のG20労働雇用大臣会合では、すべての人々が差別なく労働市場に参加できるアクティブ・エイジング・ソサイエティを推進することの重要性が認められ、包括的な取り組みの実施が公約されています。

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 以上はILOの労働統計データベースILOSTATの2019年10月1日付英文ブログ記事の抄訳です。ILOSTATには、データそのものに加え、データ生成に携わる人々向けの資料やイベント案内、ニュースレター、解説資料、ブログ記事なども掲載されています。