開業・事業改善

震災後のエクアドルで探す新しい未来

 ILOはエクアドルにおいて、2016年4月に発生した大地震後に、生活再建と生計強化を手助けするプロジェクトを実施しています。

2018年01月04日

 2016年4月にエクアドルで発生した大地震は数百人の命と数多くの人々の生計手段を奪い去りました。被害が特に大きかったカルセタ市に住むイエスス・オニャテ氏とモニカ・モンセラッテさんの夫妻の住まいでも多くの機械や道具が壊れました。45歳のオニャテ氏は木工工芸家で、2015年のローマ教皇フランシスコの訪問直前に4,000個の木片で繊細な組立細工の肖像画を制作したこともあります。

 物質的にも精神的にも地震のダメージを受けた夫妻は茫然自失の体となり、最初は仕事をどう再開すればいいかも分かりませんでした。しかし、被災地の包摂的かつ持続可能な復旧を手助けするために、ILOが同国の労働省及び工業・生産性省と協力して震災後に導入した開業・事業改善(SIYB)研修を受講したことによって再び立ち上がるのに必要な知識と元気を授けられました。作品のより良い宣伝・販売戦略や収入を最大化して資金を管理する戦略を学んだこの事業計画について、オニャテ氏は、「前に進むための一連の手立てをもらい、精神的にも良いものだった」と感想を述べています。

 震災後、家族を養うためにもっと何かをしなくてはと感じたモニカさんも共にSIYBコースに登録しました。「プログラムの中に、とりわけ災害後に近所でどんな種類の事業が求められているかを特定するツールが含まれていました。近所の人たちが町の中心部まで出ないと日用品が買えないことに気付き、この事業はうまくいくだろうと考えました」と振り返るモニカさんは、SIYBを構成する要素の一つである「事業アイデア考案(GYB)ツール」を用いて小規模な雑貨店を開くアイデアを実現に移しました。「良いサービスを提供するとお客様は戻ってきてくれます」と語るモニカさんの事業はとてもうまくいっており、2018年にはもっと品揃えを広げて店を大きくすることを計画しています。

 100カ国以上で実施されているSIYB方法論を用いるこのILOのプロジェクトは、途上国に適した経営原理を用いて中小・零細企業の将来性を高めることを図り、起業家精神を促進しています。これには特定の地域で地元の利害関係者が経済開発戦略を始動して実行するのを手助けするよう設計された研修パッケージも含まれています。プロジェクトはエクアドルで1,000人以上の受講生が事業アイデアを形にするのを直接支援してきました。生産的な産業部門の経済復興を促進することによって地域により幅広い影響力を及ぼすことが期待されます。

 事業活動、協同組合、農村開発の専門家であるILOのジョン・ブリーク専門官が説明するように、ILOはこの経済復興プロジェクトにおいて、被災地の観光開発を支援するバリューチェーン(価値連鎖)の分析に加え、具体的な職業ニーズを特定することによって労働需要の仕組みの強化にも取り組んでいます。

 以上は2018年1月4日付の英文広報記事の抄訳です。