ILOブログ:社会的金融計画とインパクト保険
気候変動との闘いにおいて金融サービスが重要な理由
異常気象の激しさがますます増し、頻発する中、気候変動から受ける影響が最も大きくなりがちな最貧コミュニティーの強さを増すことが決定的に重要です。この過程で金融サービスにも果たすべき役割があります。
2018年02月28日
| クレイグ・チャーチルILO社会的金融計画部長 |
異常気象の激しさがますます増し、頻発する中、気候変動から受ける影響が最も大きくなりがちな最貧コミュニティーの強さを増すことが決定的に重要です。この過程で金融サービスにも果たすべき役割があります。
洪水や干ばつのような異常気象の影響はしばしば貧困世帯における生計手段の喪失につながり、食事を抜いたり、子どもを学校から退学させたり、高利貸しを利用するといった家族に害を与える対処手段の採用を強いることになります。この結果、災害毎に弱さが増す事態が生じます。
金融サービスは災害を予防することはできませんが、保険のようなサービスは最も脆弱なコミュニティーのリスクを軽減する助けになる可能性があります。
例えば、エチオピアでは2017年初めに干ばつによって多くの地域で家畜に被害が出ました。同国のキフィヤ金融テクノロジー社はILOの支援を受けて、主に官民パートナーシップを通じて貧困コミュニティーが手頃な料金で金融・非金融サービスを利用できるようデジタル支払いプラットフォームの活用を試していますが、干ばつが発生した時に農家がインデックス型家畜保険に基づく保険金請求を行うのを支援し、計7万5,000ドルを支払いました。
ILOのインパクト保険ファシリティーの活動の一環として、低所得コミュニティーにサービスを提供する企業に保険専門職の人々を研究員として送り込む事業がありますが、これを用いてキフィヤに派遣されているエノック・シングオエイ研究員は、首都アディスアベバから南のヤベロの町まで車で2日間かけて移動した際、沿道で栄養不良の家畜や家畜の死体を目にしたと報告しています。研究員がヤベロに赴いたのは、干ばつ時の家畜被害を補償するインデックス型家畜保険に基づき保険金請求を行う農家と会うためでした。干ばつ水準は人工衛星を用いて家畜に得られる飼料の量を追跡する革新的な指数(インデックス)を通じて計測されています。ケニアで盛んなこの保険は最近エチオピアでも普及し、干ばつ発生時の加入農家数は既に1,400軒に達していました。
これは低所得世帯と小規模事業をますます高まる気候変動の脅威から守る助けになる商品の一例ですが、ILOの社会的金融計画は、様々な途上国で同じようなプロジェクトを支援し、金融セクター及び政府と協働して低所得世帯に利益を与える可能性がある新たな商品や手法を試みています。
ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人に実現することを目指すILOのディーセント・ワーク課題に貢献し得る金融サービスは保険だけではありません。別のプロジェクトは、投資収益に加えて社会や環境に好影響を与えることを希望する投資家と協働して気候変動の影響に取り組んでいます。事業の過程や融資プロジェクトの選定に当たり、社会的要素や環境要素を考慮に入れる必要性を投資家がますます意識するようになるにつれ、インパクト投資として知られるこの市場は拡大してきています。しかし、投資家はしばしば、その活動において開発原則を効果的に実行するのに必要な知識を欠いています。そこでILOは、インパクト投資家と協働して、持続可能な開発目標(SDGs)を社会、環境、開発に対する影響を測定する枠組みの一つとして用いています。このようなパートナー投資家には、貧困層の利益のためにアフリカの農業潜在力の活用を目指すアフリカ農業貿易投資基金も含まれています。
以上のようなプロジェクトを合わせると、ILOの社会的金融計画が2017年に手を差し伸べた低所得世帯、小規模農家、小規模事業は55万9,000単位を超えています。この詳しい活動内容については社会的金融計画の2017年年次報告(英語)をご覧下さい。
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以上はILO社会的金融計画のクレイグ・チャーチル部長がILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に2018年2月28日付で投稿した英文記事の抄訳です。