広報記事:南アフリカの若手企業家

枠に捕らわれない考え方:南アフリカの「連続企業家」

2014年10月24日

 若者の31%以上が就学も就職も訓練受講もしていないニート状態にある南アフリカにおいて、ILOが経済開発・観光・環境省(DETEA)、小企業開発庁(SEDA)、在南アフリカ・フランダース政府代表部と協力して2013年からフリーステート州で実施している「enterPRIZE仕事の創出チャレンジ・ビジネスコンクール」は、同国の若手企業家が未開拓のまたは十分に開拓されていないビジネス機会を捕らえるのを支援しています。コンクールは大手企業を始め、地元の企業団体、商業会議所や大学の後援を受けています。

 今年6月に発表された2014年度コンクールの結果では、アグリビジネスや情報通信技術(ICT)など25部門に分けて71人に賞が授与されました。550人近い応募者があった2013年度コンクールの新設企業部門で優勝したテバン・モタウン氏(26歳)は、殺菌剤の会社を興した起業家です。交通係官だった数年前に出席した結婚披露宴でビュッフェの列に並んだ人たちが手ふきタオルを共有しているという非衛生的な状況を目撃した氏は、とりわけ良好な衛生慣行が課題であるような環境で多数の利用者の役に立つような製品の開発を考え始めました。氏が思いついたタミック・バドゥク殺菌剤は布地に直接噴霧するだけで典型的な家庭で見出される4億以上の細菌を実効的に殺す力があります。また、タオルを使った人の手指の殺菌を通じて、食物に触れた際にバイ菌が移るのを減らすこともできます。

フリーステート州のenterPRIZE仕事の創出チャレンジ・プロジェクト(英語)

 起業後、製品の製造、包装、流通の仕事を9人分作り出し、商売は順調な滑り出しを見せましたが、コンクールに応募した当時、氏はまだ自信がありませんでした。優勝賞金と副賞の技術支援はビジネスを後押しすることになり、今年に入って州の社会開発局と契約を結び、同局のデータベースに登録されている4,590の州立託児所すべてに毎週4本のスプレー缶を供給する取引も獲得し、最初は年間1,300本だった売上高も今では月6万本に達しています。現在は顧客対応、配達、販売業務などを担当する正社員が15人いますが、全員が33歳未満の若者です。溶液を開発している研究施設の近くに作業場を移転したことによって、輸送費を引き下げることもできました。今は州都のブルームフォンテイン市に製造・瓶詰め施設を建造することを計画中で、融資機関と資金交渉を行っています。月商は約18万ランド(約177万円)となり、安定した収入のおかげでビジネスの拡大と新たなビジネス機会の開拓に専念できるようになっています。

 最終選考に残った時、そして優勝してしまった時にはさらに「びっくりした」と振り返るモタウン氏ですが、今では自分を「連続企業家」と称し、他の人々とチームを組んで一連のビジネスを創業して成功する夢を語っています。審査員の前で事業について発表する必要もあったILOのコンクールのおかげで、事業をどう育成し、どうやってより多くのフォーマルな仕事を創出するか、より明確に考えさせられたと語るモタウン氏は、「賞を獲得することがなかったら、こんなに効果的なビジネスモデルを開発できなかっただろう」と感想を述べています。「応募者は枠にはまらずに考えて、革新的であるよう求められた」と語るILOのイェンス・デューレング・クレステンセン南・東部アフリカ企業開発専門官は、このコンクールがこの国で緊急に求められている起業家精神の育成と仕事の問題に取り組む有望な手段となる可能性を指摘しています。

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 以上はブルームフォンテイン発英文広報記事の抄訳です。