ILOマルチメディア・プラットフォーム「声」:児童労働
子どもを羽ばたかせる歌
スリランカの歌手リドマ・ウィーラワルデナさんが、ILOの「児童労働に反対する音楽イニシアチブ」に協力して2019年に「子どもたちを羽ばたかせよう」と題する反児童労働ソングを制作した経緯を語ります。
2021年01月11日
レコードも出しているスリランカの歌手リドマ・ウィーラワルデナさんは既にこの10年、音楽やダンス、地域社会の活動を通じて、障害を持つ子どもたちや恵まれない子どもたちと協働してきました。「ILOとの協力は自分の知っているやり方、つまり音楽を通して社会に還元できる素晴らしい機会となりました」と語るリドマさんは、ILOから「児童労働に反対する音楽イニシアチブ」に参加しないかと話を持ちかけられた時、「超興奮した」と感想を述べています。リドマさんは、児童労働は根絶する必要があると心から信じています。「子どもたちが本来の形で子ども時代を過ごせるように、この世界から児童労働を根絶する必要があります」と語るリドマさんは、子どもにとっての教育の重要性に常にとても情熱的に取り組んできました。
現在、スリランカの児童労働の状況は地域の他の国よりはずっとましですが、それでもなお4万人ほどが主としてサービス部門で働いています。こういった子どもたちは教育の機会と子どもとしての基本的な権利を奪われています。圧倒的に多くが危険で有害な労働に従事し、時には目に見えない形態の児童労働であることが完全な根絶を難しくしています。政府は現地のパートナーや国際的なパートナーと協働し、問題に体系的に取り組んできました。2018年には国連の持続可能な開発目標(SDG)であるあらゆる形態の児童労働の2025年までの撤廃という目標の達成を目指して諸国や様々な組織が結集した世界規模のパートナーシップである8.7連合の下、率先して問題に取り組む草分け国の一つになりました。
リドマさんはスリランカの音楽シーンに変革を起こそうと数年前から作曲家のチャリタ・アッタラゲさんなどのアーティストと協力してスリランカの古典音楽と現代的電子音楽を融合させた一種の実験音楽に取り組んでいます。スリランカに熱心なファン層がいるのに加え、海外にもファンの基盤が広がりつつあります。
リドマさんらが制作した「Let them fly(子どもたちを羽ばたかせよう)」という歌は、大人に向けて、子どもが飛び方を学ぶ前から翼を折らないでくれと訴えかけています。教育、基本的人権、子どもが労働よりも子ども時代を過ごせる大切さといった、訴えたい考えを総合的にまとめたものとなっています。中でも大きな役割を担っているのは歌詞であり、一つの共同体だけに焦点を当てるのではなく、より幅広い聴衆に聞いてもらうことを目指し、シンハラ語、タミル語、英語の3カ国語で作られています。「誰もが曲を理解し、この大義に心を通わせること、そして国際的な聴衆に到達することを目指しました」とリドマさんは語っています。歌の一部に子どもの合唱を取り入れたことも非常にプラスになり、聴衆の心を打つものに仕上がっています。音楽はより幅広い聴衆に語りかけることができ、多くの人の心に届くと思います、とリドマさんは語っています。
子どもはこの国の未来です。あと2、3歩進む必要があります。音楽は多くの人を納得させ、メッセージを伝え、児童労働に終止符を打つことへの意識を高めることができるとリドマさんは考えています。
この曲はソーシャル・メディアで既に15万回以上再生されています。リドマさんのYouTubeチャンネルでは他の曲を聴くこともできます。
以上はマルチメディア・プラットフォーム「声」に掲載されている2021年1月11日付の英文広報記事の抄訳です。