ILOブログ:女性起業家デー

女性起業家がビジネスにおける性別分離を乗り越える助けになる五つのステップ

 女性起業家はビジネス・バリューチェーンの下方に張り付く傾向があるのに対し、男性起業家は上方でより多くの利潤を手にする傾向があります。ILOは女性がビジネスにおける性別分離を乗り越える助けになる5段階モデルを開発しました。

2020年11月19日

シャーレーヌ・ムブイ=ルサンバWED技術主任

 11月19日の女性起業家デーは、世界中で数十万人を数える女性企業オーナーの功績を認めると共に、女性起業家が直面している問題とビジネスにおける性別分離を乗り越える方法に光を当てる日です。この日付の投稿記事で、シャーレーヌ・ムブイ=ルサンバILO女性起業家育成計画(WED)技術主任は、ILOがこの助けになる5段階モデルを開発したことを紹介しています。

 筆者の母国であるコンゴ民主共和国で町や村を歩くと、そこかしこに沢山の美容院の姿が目につきます。この大半を女性が経営しています。美容院の仕事は髪を編んだり、カットしたり、スタイリングをすることですが、多額の利益を生むわけではなく、経営は頭打ちで実質的な前進は決して望めません。一方で、女性起業家が使っているヘアケア製品を生産している小規模工場はほとんどの場合、供給網のより高利潤な部分をうまく利用する術を見つけた男性が所有・経営しています。

 この種のビジネスにおける性別分離は世界中多くの場所で見られ、女性は価値連鎖(バリューチェーン)の低い方にはまっているか、伝統的に女性が多い低収入部門に集中しています。例えば、筆者がWEDの技術主任として関わりがあるソマリアの場合もそうです。

 筆者が関係するのは酪農バリューチェーン内で働く女性事業家ですが、彼女たちは1、2頭の乳牛を所有し、市場や首都モガディシュの街頭で牛乳を売るのを仕事にしており、ほとんどが他のより高利潤の商売に移行することを考えていません。これは一つには牛乳生産は家族内で代々受け継がれてきた仕事であり、女性の伝統的な役割とみられていることによります。

 一方で、ソマリアでももっと高利潤の再生可能エネルギー部門の企業家は圧倒的に男性に占められており、ほとんどが酪農部門を「女性の仕事」と見ているため、そういった部門で働くことを考えてもいません。

 WEDチームの目的は、女性が既に所有している、必要不可欠で女性が圧倒的多数を占めている産業部門における事業に「価値を付加」するのを助け、しばしば成長志向型で男性に占められているより高利潤の産業部門に参入するよう奨励することです。この助けになるものとして以下のような5項目のビジネス向上モデルを開発しました。

  • 女性が事業を設立し、育むのに最適な産業部門の特定・評価。これには女性が既に相当数存在する産業部門や伝統的には男性が圧倒的多数を占め、女性の参入が奨励される部門なども含まれます。
  • 女性や男性のニーズに対応したソフトスキル訓練、起業研修、事業継続性管理などの個別事業に合わせた支援の提供。地元の事業支援組織との協働によってプロジェクト終了後もこういったサービスが維持され、残ることを確保します。
  • 政府及び民間セクターとの協働による女性事業の市場参入機会に対する支援。これには、女性が所有し、主導する企業を包摂し、利するような採用・購買政策の推進、女性起業家による入札手続きにおける落札支援を目指した、市場情報を装備させ、規格や要件を満足することへの手助けなどが含まれます。
  • 伝統的な金融機関のみならず、インパクト投資家のような、それほど伝統的でない金融の仕組みを含む様々な金融選択肢に女性起業家をつなげることによって金融機会の円滑化を図ること
  • 仲間同士の支援ネットワークの構築や主要な団体、活動の場への参加の円滑化を図ることによる女性起業家の発言力及び代表性の強化。ソフトスキル開発とネットワーク強化を通じて女性起業家が事業を発展させ、男性が圧倒的多数を占める産業部門に参入し、そこで成功を収めるよう女性起業家に力を付け、奨励することも目指しています。

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 以上はシャーレーヌ・ムブイ=ルサンバWED技術主任による2020年11月19日付のILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」への英文投稿記事の抄訳です。