広報記事:社会的保護

国民皆年金への道を進むカーボベルデ

2015年04月17日

カーボベルデの社会的年金に関する広報動画(英語)へのリンク

 最近、アフリカ西海岸沖に位置する島嶼国であるカーボベルデの知名度が、その社会的保護制度の整備によって国際的に高まってきています。ILO社会的保護局のまとめた政策概況によれば、拠出型と非拠出型を合わせるとカーボベルデでは高齢者の9割以上が年金を受給しています。

 国民皆年金制度へと向かうカーボベルデの歩みには二つの大きな前進がありました。2006年に社会的年金全国センター(CNPS)が設置され、加えてそれまでにあった非拠出型の年金制度が一つに統合されました。CNPSが運営する社会的年金は全額が国家予算から支出され、他の社会保障制度に加入しておらず、収入が国の公式貧困線を下回っている60歳以上の高齢者や障害者、貧困世帯の障害児童に最低限の所得を保障しています。老齢社会的年金の受給者は現在、60歳以上人口の約46%に達しています。社会的年金の経費は国内総生産(GDP)の0.4%近くに過ぎません。社会的年金制度には相互保健基金もあり、年金受給者1人当たり月100カーボベルデ・エスクード(約120円)の拠出を受けて、年2,500カーボベルデ・エスクード(約2,900円)を上限に、民間薬局からの医薬品購入費用を補助しています。年金受給者が死亡した場合には7,000カーボベルデ・エスクード(約8,100円)の葬儀手当も支給されます。

 現在の年金額は貧困線の1.2倍に相当する月額5,000カーボベルデ・エスクード(約5,800円)に設定されています。例えば、最近車椅子生活になった夫と6人の子どもの一人と共にサンドミンゴス市に住むマリア・アフォンソさん(80歳)の生活は年金に大いに頼っています。年金のおかげで自宅に給水設備を整備して外に水を取りに行かずにすみ、海外に住む子どもたちとの連絡に必要な電話代も払うことができ、必要経費を支払ってもなお少し残るので生活に使うことができるとアフォンソさんは喜んでいます。カーボベルデのジャニラ・ホプフェル・アウマダ青少年・雇用・人材開発大臣は、高齢者に特に注意を払って、最低限の社会的年金を受給できる人の数の増加と支給額の引き上げに尽力してきたことを説明し、道のりがまだ遠いことを認めつつも、ILOの支援などのおかげで「前進を続けられる」と語っています。

 ファビオ・ドゥラン=バウベルデILO社会的保護専門官は、カーボベルデが年金加入率を急速に上げることができた要因として、拠出型制度と非拠出型制度を組み合わせたことを挙げています。また、「政府の強い公約がカギ」とした上で、これはカーボベルデのような途上国でも年金制度を国民全体に行き渡らせることが実現可能であり、財政的にも負担可能であることを示していると語っています。

 社会的年金は地元の郵便局を通じて毎月支給されていますが、CNPSは手続き全体をより効率的にするためにその近代化を図りました。受給者を特定し、不正を回避できるよう、指紋による認証などの最新技術も導入されています。かつてはすべての申請を地方から本局に送る必要がありましたが、新たなコンピューター・システムの導入により、業務の分散が可能になり、この結果、女性や農村地帯にも普及し、加入者は10年も経たないうちにほぼ倍増しました。

 カーボベルデのILO国内調整官を務めるジョアナ・ボルジェス=エンリケスは、依然多くの課題が残っていることを認めつつも、急速な国民皆年金制度に向けたカーボベルデの歩みは、社会的保護の土台の確立は最も脆弱な人々の暮らしを向上させるだけでなく、国の社会的・経済的発展にも寄与することを示しているため、一国の枠を超えた「良いニュース」であると評しています。

 2012年の総会で採択された「社会的な保護の土台勧告(第202号)」は、社会的保護をすべての人に行き渡らせることを目指し、児童、生産年齢人口、高齢者の基本収入の保障と必要不可欠な保健医療を受ける機会を保障する社会的保護の土台を各国が整備することを提案しています。ILO社会的保護局は社会的保護の拡大に向けた各国の成功例を紹介する一連の政策概況を作成しています。

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 以上はプライア発英文広報記事の抄訳です。