広報記事:児童労働

共に踊って児童労働に反対を表明

2014年11月03日

 10月に発表された、今年のノーベル平和賞がパキスタンの児童教育活動家であるマララ・ユスフザイさんと児童の権利運動を展開するインドのカイラシュ・サティアルティ氏に授与されるとのニュースは、児童労働問題に国際社会の注目を集める効果を果たしました。タイでは青少年ヒップホップグループが児童労働撲滅キャンペーンに加わりました。

 2000年に2億4,600万人と推計された児童労働に従事する世界の子どもの数は2012年に1億6,800万人に減ったと推定されるものの、地域別で見るとアジア太平洋地域の数は最も多く、ほぼ10人に1人の割合の7,800万人余りを数えます。タイの児童労働者数に関するデータはありませんが、今でもなお、農業やエビなどの水産加工業を含むいわゆる最悪の形態の児童労働に従事している子どもたちが見出されています。

 売り出し中のヒップホップグループ「ザ・ズー・タイランド」のメンバーであるナパツァラ・プロイスパポルさん(13歳)は7歳から始めたダンスの練習を終えて暗くなってから帰宅する道がてら、自分より小さい子どもが花を売ったり、車のミラーを拭いたりしてわずかなお金を稼ぐために深夜まで働いているのをよく目にしていました。そこで、世界規模で展開されているILOの「児童労働へレッドカード」運動の一環として、都会の子供にターゲットを絞って新たに開始された「みんな一緒に児童労働反対キャンペーン」の話を耳にした時、自分たちのファン層の中心を対象としたこのキャンペーンに自分たちの才を活用して関与しようと他のメンバーを説き伏せました。バンコクの若者に人気のあるショッピングモール「セントラルワールド」で開かれる啓発イベント用の中心的な出し物として、グループは児童労働者の悲哀に光を当てる特別のルーティーンを作り上げました。メッセージは観客にはっきりと伝わりました。パフォーマンスを見物していたサンティタム・ワッタナソポン君は、「子どもは楽しむべきなのに、働かなくてはいけないなんて間違っている」として、失われた子ども時代に注意を喚起しています。

 グループの振り付けを担当しているパッタナポン・スワンウォンさん(22歳)は、児童労働者であるとはどんな気分がするものか観客に理解させる一連の動きの考案という難しい課題に取り組みました。そして、子どもらしく楽しむ機会がある子どもを示すためにはヒップホップの速い動きを用い、見ていて息が詰まるような居心地の悪さを感じさせるコンテンポラリーダンスのゆっくりとした動作を組み合わせて、児童労働の悲哀を示しました。

 厳しいメッセージを伝えるためにストリートダンスの技術を用いることはダンサー側にとってもILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)の専門家側にとっても新しい経験でしたが、どちらもこの結果とそれが開いた新たなコミュニケーション手段に満足しています。「若者は変化を引き起こす動作主」と語るIPECのビルイッタ・クローグ=ポールセン計画部長は、大きくなったらそれぞれの分野のリーダーや役員となる可能性を秘めた若者にメッセージを届けることの重要性を指摘しています。

 「子どもの頃はこういった子どもたちが売っている花やその他の品物を買うことによって助けていると思っていた」と振り返るパッタナポンさんは、次のように続けています。「大きくなってからは自分の行動を問い直し、これでは児童労働を奨励しているのではと考えました。でも自分自身、どうするのが一番良いか分からないのです。だから児童労働についての啓発活動を手助けするということは自分にとっては良い機会です」。

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 以上はILOアジア太平洋総局による英文広報記事の抄訳です。