広報記事:男女平等

仕事と家庭を二者択一の選択肢とすべきではない

2015年05月06日

 西アフリカの若者の間では女性の労働力率が男性よりも低く、一方で、例えばセネガルでは、生産年齢人口(女性は男性の1.13倍)も失業率(男性9.9%、女性14.1%)も女性の方が高くなっています。教育及び職業訓練の機会から始まるこの不平等は、男女の役割と資金・資源における不平等な分布を基礎とした社会モデルから生まれています。今日の西アフリカでは女性の方が男性よりも高学歴であるものの、男女差別はしばしば採用慣行にも影響を与えています。

 西アフリカの他のほとんどの国と同様、マリ、ニジェール、セネガルでは、女性は主として農業や畜産、小売業、製造業、家事サービスの部門で働いているのに対し、建設業や運輸、漁業、不動産業、公務などの他の経済部門は圧倒的に男性に占められているといったように、若い女性の多くが職業上のステータスが低い特定の経済部門に流入しています。女性比率の低さは民間部門で特に大きく、セネガルでは女性就業者の92.3%が自営業または家事労働者として働いており、民間企業被用者は3.2%、公務部門就業者は1.4%に過ぎません。対して、男性の場合は就業者の85.1%が自営業または家事労働者、7%が民間企業被用者、3.7%が公務部門で働いています。

 さらに、地域全体を通じて、男性の方が女性よりも賃金は高く、例えばベナンでは若い男女(15~29歳)の間では男性の賃金は女性の35倍になるというように、時に賃金格差が非常に大きくなっています。

 貧困、失業、不完全就業の組み合わせは若い女性を特に脆弱な集団としています。例えば、修士号を取得した後、公務員試験に合格し、ある省に顧問として採用されたセネガルの若い女性の生活は、就職2年目に結婚して第一子を設けてから非常にストレスの高いものになりました。朝は母親に子どもを預けてから仕事に行くために5時に起き、9時頃に帰宅してから夕飯の準備をし、床に就くのはいつも零時を過ぎてからといった生活が続きました。このようなプレッシャーの下、仕事ではミスを起こし始め、家庭では夫から自分や娘の世話、家事をしっかりやっていないと言って責められました。ついに彼女は鬱状態になり、結婚は破綻し、やっと仕事を続けられたのは労働組合の支援があったからでした。「どうして仕事と家庭の二者択一をしなくてはいけないのかしら。とても不公平」と彼女は語っています。

 ダカールにあるILO現地事務所の広報紙『Travail décent(ディーセント・ワーク-働きがいのある人間らしい仕事・仏語)』2015年第1号で紹介されているこの女性の物語は、出産前後に有給休暇がなく、妊娠の事実またはその可能性によって解雇されたり、差別され続けている世界中多くの若い女性の現状を代表しています。社会的サービスや公共交通機関、産前産後休業、保育サービスなどが存在しないか不十分であった場合、女性はしばしばキャリアを中断するか労働時間を減らすことを余儀なくされます。男性が家事を公平に分担しない場合、母親の状況は一層厳しくなります。

 職場における男女平等は人権であり、社会正義の一つの要素であるだけでなく、経済発展にとって決定的に重要です。差別の撤廃が国民所得や企業の生産性、革新能力、収益性に好影響を与えることを示す調査研究結果がますます増えてきています。女性の労働条件が人間らしく働きがいのあるものとなり、女性が子供を持ち、その世話ができるようにするためには、女性に平等な訓練機会が確保されること、そして労働市場に入る前にいわゆる男性の職業路線をたどるよう奨励されるべきことを意味します。多数の若い女性が労働市場に参入すれば、職場における母性保護が不可欠になります。この方向に向けた大きな一歩として、西アフリカのすべての国に向けて提案できるのがILOの母性保護条約(第183号)の批准と実行です。

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 ダカール発英文広報記事の抄訳です。