公正な人材募集・斡旋

人材募集・斡旋を公正なものとすることは可能

 ILOがスイス開発協力庁の任意資金協力を受けて実施している「公正な人材募集・斡旋(FAIR)総合計画」はネパールの移民労働者が公正かつ安全に国外に職場を見つける手助けを提供しています。

2018年06月14日

 ILOがスイス開発協力庁の任意資金協力を受けて実施している「公正な人材募集・斡旋(FAIR)総合計画」はネパールの移民労働者が公正かつ安全に国外に職場を見つける手助けを提供しています。

 ジュムラティ・ミヤ・マンスーリさんは、マレーシアの衣料品部門で働く約束の下、仲介業者に手数料を支払って旅立ったところ、劣悪な労働条件の道路維持工事の現場に送られてしまいました。「労働集約的なきつい仕事である上に、約束された額の賃金はもらえず、十分な食事も与えられませんでした」と振り返るマンスーリさんはやがて帰国できた時、二度と国外で働かないと決心しました。しかし、ヨルダンの衣料品工場で働く他の労働者らと共に再び出国を決めたマンスーリさんは、今回はILOのプロジェクトの下、公正な人材募集・斡旋手続きを通じて職を得ることができました。

 前回は健康診断もなければ、面接もなく、出国前オリエンテーションを受ける機会もありませんでした。今回は一緒に働くことになる他の人たちと一緒に募集・斡旋プロセスの重要な一部である出国前オリエンテーションに参加し、最近調印されたネパールとヨルダンの二国間協定に基づき募集・斡旋関連費用は使用者が負担すべきことや協定に規定されている標準的な雇用契約、生命・障害保険について学びました。

 FAIRプロジェクトが始まったばかりの頃、地元社会も移住希望者も募集・斡旋に関連して隠された費用が何もないことをなかなか信じられませんでした。前回サウジアラビアに出稼ぎに行った際には、下取次手数料と呼ばれる料金を払わされたゴマ・ネパーリさんもその1人です。「今回はどうして手続きにお金がかからないのか分からないわ。もっと驚くことは、これまでの手続きにかかった費用を雇い主が払い戻してくれるんですって」と喜んでいます。

 ヨルダンの衣料品工場で働くネパール人労働者がたどるネパールとヨルダン間の移住経路を対象に試験的に実施されているFAIRプロジェクトは、最悪の場合には強制労働につながる可能性さえある虐待的で悪辣な人材募集・斡旋慣行に終止符を打つことを目指しています。公正な人材募集・斡旋とは、国際的に認められた労働者の人権を尊重し、保護し、満足するような形で行われる人材募集・斡旋を指し、労働者が人材募集・斡旋手数料や関連費用の請求を受けないこと、募集・雇用条件が明確に開示されるべきことを意味します。

 国境を越えた人材募集・斡旋の需給マッチングにおいては、世界的に民間業者が重要な役割を演じています。ネパールでも過去9会計年度に政府が自国労働者に発給した労働許可の82%以上が民間業者のサービスを用いたものであることが公式データからも示されています。

 プロジェクトは将来性のあるビジネスモデルとして公正な人材斡旋・募集を実践している民間業者のFSIワールドワイド・ネパール社のような公正実務を示している民間業者と共同で進められています。また、ネパールにおけるスイス国際協力協会ヘルヴェタスの安全移住プロジェクトと連携してヨルダンの衣料品産業で働くために移住する労働者に包括的な技能訓練プログラムを提供しています。1カ月間の技能訓練に参加しているロシーニ・パリヤールさんは、「これまでにこんな訓練を受けたことがなかったので楽しい」と感想を述べ、学んだことをヨルダンで用いるだけでなく、契約を終えて帰ってきてから自分で何かを始めるのに活用する希望を語っています。マンスーリさんも既に、娘の教育と老親の生活のためにどれだけ実家に送金できるか計算を始めています。

 以上はILOアジア太平洋総局による2018年6月14日付のカトマンズ発英文広報記事の抄訳です。

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