インフォーマル経済のフォーマル化
リマのガマラ市場:公式経済移行の利益
インフォーマル対策は不平等と社会的排除の縮小に向けた政府の取り組みのカギを握っています。これはインフォーマルな就労者が多いペルーには特に当てはまります。
2019年10月09日
中南米・カリブ地域では就労者の53%に当たる1億4,000万人近くが、「法令上または慣行上、公式の取り決めの適用を受けていないまたは十分に適用を受けていない労働者及び経済単位による全ての経済活動(不正な活動は含まない)」と定義される非公式(インフォーマル)な経済で働いています(2015年の非公式な経済から公式な経済への移行勧告)。こういった就労者の労働条件は大体において不安定で、労働者の権利は尊重されず、社会的保護は得られません。
就労者の73%に当たる1,200万人以上がインフォーマルな状態にあり、しかもそのほとんどが女性であるペルーで、労働・雇用促進省は使用者や起業家に公式(フォーマル)化の手引きや支援を提供するペルー・フォーマル化センターを通じて、零細企業の経営者や労働者にフォーマル化を奨励する技術援助を提供し、ワークショップを開催しています。
首都リマの中心に広がるガマラ衣料品・繊維市場で働く8万人以上の人々の多くがインフォーマルな就労状態にあり、労働者は社会的保護が得られず、就労に関わる権利は尊重されず、人間らしく働きがいのある労働条件が確保されていません。企業はなかなか融資を受けることができません。そこで、ペルー政府はこの市場をインフォーマル経済対策の重点地域の一つに定めています。
ペルー・フォーマル化センターの提供する訓練に参加したロハス姉妹は、ガマラ市場にある自分たちの零細企業のフォーマル化は事業にとっても従業員にとっても良いものであるとの確信を得るに至りました。ジョン・ヒューストン、ジーノ・ジョルダーノという自社ブランド紳士服を売るエミリーさんとイエニーさんの姉妹が経営する衣料品店には11人の従業員がいますが、フォーマルな労働者として従業員名簿に記載されているのは6人だけです。エミリー・ロハスさんは、全員をフォーマル化するという目標に到達できていないのは「生産性目標が達成できていないため」と説明します。イエニー・ロハス・ベラさんも「フォーマル化は労働者がとりわけ、休暇や健康保険、退職年金など一定の給付を享受することを許し、会社にとっても融資のような一定の利益への道を開くことになる」として、フォーマル化が自分たちにとってとても大切なことを強調します。
2人が参加した訓練は、ILOの「競争力と責任ある企業を支える(SCORE)計画」に基づいて実施されています。SCOREの目的は、職場内協力を基礎とした持続可能な事業経営の仕組みの実行を通じて、企業の生産性向上、労働条件改善を支援することです。ペルーSCORE計画のエルナン・セバジョス調整官は、「生産性が上がれば、零細・小企業のフォーマル化経費吸収力」も高まる可能性を指摘します。
ILOアンデス諸国ディーセント・ワーク技術支援チーム(DWT)兼国別事務所のフィリップ・バンフイネゲン所長は、インフォーマル経済からフォーマル経済への移行はこの地域におけるILOの中心的な行動分野の一つであることを紹介した上で、「フォーマル化戦略には促進的で安定した経済・社会環境」が必要なことを挙げ、この問題に対処するには「規模の異なる企業間や産業部門間の生産性格差を縮小する一連の生産的な多角化政策」を加速させる必要があることを説いています。また、インフォーマル対策は不平等と社会的排除の縮小に向けた政府の取り組みのカギを握り、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を構成する17の持続可能な開発目標(SDG)の8番目に当たるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と経済成長の達成に直接寄与することを強調しています。
以上は2019年10月9日付のリマ発英文広報記事の抄訳です。
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