広報記事:アゼルバイジャンのフォーマル経済化
フォーマル企業化が成功の道:若者が率いるアゼルバイジャン企業のフォーマル化支援
2015年06月08日
アゼルバイジャンでは若者が人口に占める割合は3割に過ぎませんが、最も脆弱な集団の一つに数えられています。2013年の失業率は5.2%であるものの、15~29歳の若者層では10.3%に上昇します。とりわけインフォーマル(非公式)経済で働く労働者や企業家の状況は困難です。
| 新しくコンピュータを買いそろえたグルバノワさんの教室には通う生徒も増えました |
29歳ながら12歳を頭に4歳まで5人の子どもの母親であるヤファ・グルバノワさんは、夫の収入だけでは家族を支えきれないと気づいた時、両親の住んでいたアパートの一室を使ってコンピュータ教室を開くことに思い至りました。コンピュータ研修課程を優秀な成績で修了し、先生に向いていると周囲の人々にも言われていたグルバノワさんでしたが、4年経っても期待していたほどの儲けは出ず、事業の成長も見られませんでした。インフォーマルな教室であったため、正式な修了証書を発行できないのがその一つの理由でした。
しかし、彼女の住んでいる地区が、ロシアの石油会社ルクオイル社の資金協力を得てILOが実施する「独立国家共同体諸国における若者の就業のためのパートナーシップ・プロジェクト」の下で展開されている革新的な企業家精神計画の農村パイロット地域に選ばれた時、すべての状況が変わりました。プロジェクトを通じて公共職業安定所の助成金を申請し、新たに5台のコンピュータと教室用の家具を買いそろえたグルバノワさんは、次はコンピュータ教室として正式に事業登録を行うことを計画しています。
フォーマル経済における若者のためのより多くのより良い仕事の創出支援を目指すパートナーシップ・プロジェクトは、若者の就業に向けた政策や事業計画の効果向上を図っています。各国の多様性を考慮に入れ、就業を促進する方向での経済成長と人間らしく働きがいのある仕事の創出を育むため、マクロ経済・労働市場政策の改革を支援し、技能・労働市場関連の訓練、自営業・企業家支援、若者の権利擁護などといった要素を含む総合的な若者就業パイロット計画が実施されています。
アゼルバイジャンの若者企業家向け助成金計画は労働・国民社会的保護省の下、国内各地に事務所がある公共職業安定所と協力して展開されています。グルバノワさんの地区では申請件数が非常に多かったため、厳しく審査され、将来性のあるアイデアとしっかりとした事業計画を伴う申請だけが支援対象に選ばれました。ILOの起業・事業改善(SIYB)計画のマスター指導員の資格を持つ、地元安定所のムサ・ムサエフ上級専門官は、ほとんどの申請者が事業計画の立て方も分からないのを見て、自ら訓練を提供しました。また、職業安定所の専門官が助成金を受けた企業家を定期的に訪問して事業の状況を点検し、必要な助言や支援を提供しています。
| 羊農家のアフマドフさんは家族事業を拡大し、フォーマル化を進めています |
ムサエフ上級専門官が「これまでで一番意欲の高いグループだった」と振り返るこの若手企業家たちの1人で、羊を飼養しているマルグル・アフマドフさんは、SIYB訓練で学んだことは「何もかもが新しかった」として、「家族ビジネスの改善・拡大について全く違った考えを持つようになった」と語っています。アフマドフさんは助成金を事業の改善・拡大に投資し、フォーマル(公式)経済に移行する方法について細心の注意を払って計画を練り上げました。
プロジェクトのミハイル・プーシキン主任技術顧問は、このようなパイロット計画は雇用を生む大きな潜在力を秘め、若者の就業に関する国の戦略や行動を形成する際に政労使を導くことができるとし、「技能・企業家訓練、法律助言、先輩からの指導やネットワークへのアクセスなどを含む総合的な労働市場計画の形で提供される地方在住若手企業家への支援は、フォーマル経済において事業を設立し、維持することを希望する若者に新たな出発の機会を与えることができる」と語っています。このような可能性を認め、第104回ILO総会では、インフォーマル経済からフォーマル経済への移行を円滑化する方法に関し、ILO加盟国に包括的な手引きを提供するような勧告の策定に向けた審議が進められています。
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以上はゲオクチャイ発英文広報記事の抄訳です。