ILOブログ:男女平等
ビジネスを害する可能性がある剽窃者やヘリコプターにご注意を
剽窃者と一緒に働いたことはありますか。またはヘリコプター、あるいは通訳者とは? 私はそのどれとも仕事をしたことがあります。それは私がジェームズ・ボンドと一緒に働いているからではありません。きっとあなた方の同僚にもいるでしょう。これに加えて、支配者と妨害者も。
2018年10月15日
| カロリーナ・トレビシSCOREコロンビア・プロジェクト調整官 |
スイス経済省経済事務局(SECO)とノルウェー開発協力庁(NORAD)の資金協力を得て2009年に開始されたILOの「競争力と責任ある企業を支える(SCORE)計画」は、実務訓練と工場内での相談対応を通じて、中小企業の生産性向上と従業員の労働条件改善という労使双方に利益をもたらす状況の達成を支援しています。中小企業の職場内協力改善に向けた調査研究の過程で、SCOREは、会話を独占する支配者、人の言ったことを説明し直す通訳者、人の考えを自分のものとして披露する剽窃者、人の上から発言するヘリコプター、人が話している途中で割り込む妨害者といった、会議でよく見られる五つの行動類型は、単なる無作法やイライラさせられるだけでなく、男女の平等な会議参加を妨げることによって議論の効率を下げ、長期的には職場の雰囲気を損ない、企業の潜在力と生産性を阻害することを見出しました。
例えば、コロンビアのSCOREチームは、生産性や品質といった企業にとっての重要な問題が話し合われる150以上の中小企業の会議に参加しましたが、女性の意見やアイデアは通常、耳を貸されないか、検討されていませんでした。女性が会議に呼ばれるのは、メモ取りやコーヒーを配るためであり、発言してもそのアイデアは無視されていました。
そこでSCOREは労働組合と共にジェンダー研修を2回開きましたが、参加したのは女性だけでした。それは男性だけでなく女性も、機会平等や差別禁止といった問題はそれほど深刻でない軽い話題であり、女性が扱うにふさわしいと考えていたからです。しかし、ワークショップが始まると、組合員らは自分たちの会議への完全な参加を妨げる幾つかの困難について情報を交換し、男性が女性を黙らせ、女性のアイデアの重要性を減じるために用いている様々な戦略を特定することができました。男女平等のワークショップに参加した農村女性たちも中小企業職場と自分たちの労働組合における機会平等・均等待遇の欠如に驚き、しばしば暴力的あるいは消極的・攻撃的な形で発言を封じるために用いられている戦略に類似性を見出しました。
ワークショップを終えて、この勢力不均衡に対抗し、工場内に平等と包摂の環境を形成するには、特定の手段が新たに必要であることが実感されました。そこで、サプライチェーン(供給網)開発のための新しいSCORE研修モデルとして男女平等モデルMIG SCOREが生み出されました。MIG SCOREは、平等、包摂的な採用、同一価値労働同一賃金、職場の雰囲気、仕事と生活の調和といった五つの事項に重点を置いています。中小企業の運営と経済面の現実を考慮に入れたこの8カ月間の研修及び技術支援は、ベースライン評価、管理職・一般労働者研修、企業改善計画(EIP)の策定、専門家の企業訪問による助言と支援の提供といった四つの段階で構成されています。平等な発言力を後押しするためにMIG SCOREは男女が会議で自分の意見を表明する時間と条件を平等にすることを確保するための手段として「平等時間ルール」を設計し、これを促進し、組織内及びプロセスの革新が最も起きやすい環境を育んでいます。
2018年9月18日に、ILOはコロンビアのコンクリート・セメント業界における男女平等促進に向けてこの産業の使用者団体であるAsocretoと覚書を締結しました。MIG SCOREはこれによって、「コンクリートにおける女性同盟(WICA)イニシアチブ」を補足する形で同団体の業務に含まれることとなりました。
中小企業で働く人は世界全体で約28億人と、最大の雇用の受け皿であるにもかかわらず、男女の機会均等・平等待遇の促進に向けたILOの公約や1951年の同一報酬条約(第100号)などの差別を禁止する条約を知らない場合も多く、これまでのところ、中小企業は仕事の世界における男女平等に関する議論の中心に位置するものとは見られていません。しかし、その規模に鑑みると、中小企業における出来事は男女の機会均等・平等待遇、包摂、開発を促進するILOの活動の成否に大きな影響を与えると言うことができます。
とは言え、MIG SCOREは中小企業だけのものではありません。平等な発言力の促進は私たちすべての責任事項なのです。
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以上は、SCOREコロンビアのカロリーナ・トレビシ・プロジェクト調整官が、ILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に2018年10月15日付で投稿した英文記事の抄訳です。