広報記事:持続可能な開発

ザンビアの女性企業家による経済的で環境に優しいグリーン住宅の建造

2015年06月03日

 とりわけこの10年、安定した成長が続いているザンビアの経済成長率は2015年に7.4%に達すると予想されます。しかし、この持続的な成長は十分な雇用創出につながっておらず、貧困水準は相変わらず高く、人口の半数以上が貧困線を下回る暮らしを送っていると見られます。その上、経済成長の多くの部分が相当の環境コストを支払って達成されています。1990年に71%であった国土面積に占める森林比率は2010年に67%に低下し、なおも国民の82%が日常のエネルギー源を木材や石炭、木炭、動物性廃棄物といった伝統的な燃料に頼っているザンビアで、家庭内大気汚染による死亡者数は2012年に8,240人に上っています。

 このような状況に鑑み、雇用創出と経済グリーン化のつながりに目を向けた政府は、国連と共に予算1,210万ドルのザンビア・グリーン・ジョブズ5カ年計画を策定しました。フィンランド政府の任意資金協力を受けて、ILOが主導するこの計画は、建築・建設業の中小企業における環境に優しいグリーン・ジョブの創出支援を目指しています。

 この計画の下で提供されているILOの「グリーン建設業起業・事業改善研修コース」を2014年に受講したことはオンバ・レーシーさんのビジネスに転機をもたらしました。2007年から首都ルサカで住宅建設業を営んできたレーシーさんですが、「これまでに持続可能な資材の利用など考えたこともなかった」と語っています。粘土煉瓦や土煉瓦、木材といった地元の資材を用いた建築方法を学んだレーシーさんは、研修同期生15人と共に、環境に優しい商品やサービスを提供するグリーン共同事業体を設立するに至りました。

 共同事業体は最近建てた家で学んだことを実践に移しました。屋根や扉、窓枠には木材、壁には圧縮土煉瓦、雨水集水による水道、ソーラーパネルによる電化など現地調達可能な資材を用いて時間も費用も節減できました。以前は高価につき、環境にも優しくない輸入資材を用いていましたが、研修では例えば、建設現場で伐採した木を建材に利用することなども学び、建設費用を最大7割低下させることが可能になりました。これは住宅をもっと人々の手に届きやすいものにするとレーシーさんは指摘しています。

 近年、ザンビアの経済成長で中心的な役割を演じている建設業は、環境に優しい建築資材やサービス、商品、そして省エネルギー、再生エネルギー、水保全などの科学技術の促進を通じて温室効果ガス排出量の削減に寄与することができます。2030年までの新規住宅需要が130万戸に上ると見られるザンビアで、建設業は相当の雇用創出の機会も提示しています。ザンビア・グリーン・ジョブズ計画のタペラ・ムジラ主任技術顧問はこの計画が促進することによって創出される雇用は2017年までに5,000人分に達し、既存の2,000人分の仕事の質も生産性や労働条件の向上を通じて改善されるだろうと予想しています。

 しかしながら、建築・建設業の職場では事故や負傷も多いため、ILOが現在進めている建設業のグリーン・ジョブ促進計画には、この産業内における労働安全衛生促進の要素も含まれています。また、この産業部門ではインフォーマルな就業が多く、年金受給権はほとんど確保されておらず、短期契約が一般的といったようにディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の点でなおも多くの課題が存在するため、2番目の要素として、脆弱な労働者に社会的保護を広げることを目指す要素も追加されました。

 建設業が雇用創出と持続可能な開発に寄与するにはグリーン建設業についての啓発と訓練が必要不可欠と考えるレーシーさんはまた、企業家として、グリーン建設に適した機械類購入などのための資金調達機会円滑化の必要性も指摘しています。ムジラ主任技術顧問はザンビア・グリーン・ジョブズ計画について、「持続可能な開発に投資しつつ、労働安全衛生と社会的保護の拡大の面でも前進を果たすために途上国で何ができるかを示す好例」と評しています。

 ILOは6月5日の世界環境デーに、社会正義と包摂を伴いつつ環境の持続可能性を達成するために仕事の世界が提供できる解決策を記した新刊書『Decent work, green jobs and the sustainable economy(ディーセント・ワーク、グリーン・ジョブ、持続可能な経済・英語)』を発表します。現在、ジュネーブで開かれているILO総会の一環として6月11日に開かれる仕事の世界サミットでは、今年12月にパリで開催される国連気候変動枠組条約の締約国会議における気候変動に関する野心的な世界的合意の達成及びその実行に向けて仕事の世界が何ができるかについて話し合いが行われます。

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 以上はルサカ発英文広報記事の抄訳です。