ILO統計局ブログ:アフリカ
アフリカの就労景観
「国連の持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に必要な開発を育むには工業やサービス業への移行が重要ですが、アフリカでは2023年でもなお就業人口の約半数を農業従事者が占めると見られます。
2019年11月28日
2019年12月3日に開幕する第14回アフリカ地域会議を前に作成された11月28日付の投稿記事は、アフリカの労働市場の現状を統計面から概説し、将来推計を示しています。
「国連の持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に必要な開発を育むには工業やサービス業への移行が重要ですが、アフリカでは2023年でもなお就業人口の約半数を農業従事者が占めると見られます。1990年代の平均58%に鑑みると減少傾向にはあるものの、その規模はいまだに大きく、他の地域よりかなりゆっくりとした移行速度になっています。アジア太平洋地域では1990年代にほぼ半分の時間で同じような産業構造の転換が達成されています。
状況は小地域毎のばらつきが大きく、2000~23年の期間に最も大きな減少が予測されているのはガーナやナイジェリアといった国が含まれる西アフリカ地域(13ポイント)です。逆に減少幅が最も小さいのは、農業従事者が就業人口のわずか9%を占めるに過ぎず、主たる産業ではない南部アフリカ地域であると見られます。
産業構造と共に職業分布も変化しています。2000年に就業者全体の63%と、主流を占めているのは依然として高技能農林漁業労働者と初歩的な職業の従事者であるものの、この重要性は徐々に低下してきています。この数字は1990年代とあまり変わらないものの、2023年には全体の57%に縮小すると予測されます。しかし、20年以上の期間にわたる変化であることなどを考えると、他の職業に大きく影響するとはあまり思われません。
農業からの流出傾向には性別による明確な違いがあります。2010~23年の期間に女性農業就業人口は10ポイント以上減り、サービス部門で働く女性が増えると見られます。男性の同期間における減少幅は7ポイントと、それより低く、工業とサービス業にほぼ同じくらいの規模で移行しています。
女性はサービス業への移行と共に高技能職に就く割合も上昇し、高技能職全体に占める女性の割合は2023年までに42%になると予測されています。しかしながら、管理職に占める割合が男性よりも少ない点は変わりません。
従業上の地位にも若干の改善が見込まれ、被用者の割合が少し増えると予測されています。これは正しい方向に向けた移行ではあるものの、歩みは若干のろく、大部分が自己勘定で働く個人事業主や家族の事業に寄与する家族従業者である状況は変わらないと見られます。こういった労働者は正式な労働取り決めが存在しない場合が多く、それは通常、社会保障の欠如や職場における発言力のなさにつながっています。
この点でも男女間格差は依然として大きく、被用者や使用者の大半は男性が占め、家族従業者は圧倒的に女性です。2023年になってもなお、個人事業主や家族従業者に占める女性の割合は現在とそう大差なく、8割近くに達すると見られます。
女性が不利であり続けることは他の点からも示されています。例えば、就業していながら極度の貧困層に分類される人の割合、あるいは1人当たり消費額が購買力平価建てで1.90ドル未満の世帯に属する人の割合は2023年までに3割に低下すると見られますが、それでもなお、他の地域よりずば抜けて高く、女性が男性の比率をはるかに上回る状況も変わらないと見られます。
経済が得られる人材を十分に活用していないことを示す未活用労働力率は若者年齢層が最も高く、改善の兆しは見えません。例えば、失業率と潜在労働力を組み合わせた未活用労働力率は若者の場合、2023年までに21%になると予測されますが、これはより年長の人々の2倍以上の規模であり、ここでも女性の方が高い状況は変わらないと見られます。
より悩ましい数字として、2023年になっても就労も就学も訓練受講もしていないニートの若者が全体の約5分の1に達していると予測されますが、これは2005年からほとんど変わらないと見られます。若者ニート率は男性が16%、女性が27%に達すると見られます。
以上の数字から総体的に言えることは、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた地域の歩みは停滞しているということです。農業から他の産業に向かう産業構造の漸進的な転換のような大きな前進が幾つか見られるものの、2023年以降も残ると思われる男女間格差の縮小を目指しつつ、貧困層と非公式経済就業者の減少を中心に前途はまだ長いと見られます。
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以上はILOの労働統計データベースILOSTATの2019年11月28日付英文ブログ記事の抄訳です。ILOSTATには、データそのものに加え、データ生成に携わる人々向けの資料やイベント案内、ニュースレター、解説資料、ブログ記事なども掲載されています。
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