ILOブログ:若年女性

より平等な世界に向けて高技能少女軍団を育成

 国際ガールズデー(10月11日)を機に国際社会は、少女たちを準備して仕事の世界への移行を成功させる方法について再考すべきです。世界全体で6億人を数える十代の少女たちは、1人ひとりが世界の産業の需要に応える潜在力、強さ、創造力、エネルギーを備えています。

2018年10月10日

ナイル・オヒギンズILO若者就労上級研究専門官(左)及びシュレヤシ・ジハUNICEFジェンダーと権利上級顧問

 世界中ほとんどどこでも、とりわけ高等教育レベルになると、女子の方が男子よりも教育を受けている傾向がますます高まっているにもかかわらず、労働市場の男女間格差はいまだに解消されていません。15~29歳の若い女性が就労も就学もしていない状態になる可能性は同年代男性の3倍に達し、いったん労働市場を離れると戻ってこない傾向があります。若い女性の約7割が将来的に働きたい意思を示しているものの、しばしば経済的な自立や家族を扶養するには不十分な、低収入の非公式経済の仕事に就くことになっています。

 世界中で6億人以上に達する10代の少女がイノベーション(革新)とオートメーション(自動化)で変わりつつある仕事の世界に入る準備を整えています。科学、技術、工学、数学といった理系の仕事に関心のある少女を対象にして実施された訓練に参加したレバノンのある10代の少女は、「ロボット工学を学べるのは男子だけだと思っていましたが、私は今なんとロボットを作ることができます」と語っていました。このような理系分野への情熱を抱き、自信を持った少女でも、近い将来の学校から職場への移行に際しては気が遠くなるような課題に直面します。

 例えば、少女の通う中等学校では大学受験に成功して卒業後にロボット工学の分野に入るのに必要なスキルを提供できないかもしれません。提供されていても、学校内外における性差に基づく暴力や不十分なトイレ設備によって学習が妨げられるかもしれません。家族や先生や友人さえもロボット工学は男性の仕事であるとして、少女の訓練機会を否定し、より給与が低い仕事に誘導するかもしれません。家事の相当部分を分担するようプレッシャーをかけられたり、早い結婚によって仕事の展望がさらに制約されるかもしれません。労働市場に男女間格差が残る理由にはこのようなものが挙げられます。

 国際ガールズデー(10月11日)を機に国際社会は、1人ひとりが世界の産業の需要に応える潜在力、強さ、創造力、エネルギーを有する少女たちを準備して仕事の世界への移行を成功させる方法について再考すべきです。ILOと国連児童基金(UNICEF)は最近、少女の技能と教育訓練に関する政策資料『GirlForce: Skills, education and training for girls now(少女軍団:今の少女のための技能、教育、訓練)』を共同刊行しましたが、同書は以下のようにこういった高技能少女軍団を支える方法を示しています。

  • 教育・学習の質、妥当性、性差対応性の向上に向けた政府投資。問題解決力や自信、コミュニケーション能力、基礎デジタル能力といった移行可能な技能の構築も含まれます。
  • 先輩による指導や助言といったメンタリングや影のように付き従って仕事内容を学ぶジョブ・シャドーイング、見習い研修などの実践的な学習とロールモデルの提供を通じて少女を労働力として準備するために学校と民間セクターが協働すること
  • 親や教師、子どもたち自身が男女に同じ機会を与えない有害な規範や考え方に挑むこと
  • 少女自身が夢を諦めず、不正義に遭遇したら大声で指摘すること

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 以上は、上記資料の作成に携わったILOのナイル・オヒギンズ若者就労上級研究専門官とUNICEFのシュレヤシ・ジハ・ジェンダーと権利上級顧問が、国際ガールズデーを前にした2018年10月10日付でILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に投稿した英文記事の抄訳です。