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企業の人権デューディリジェンスにおける労働の側面
2023年03月15日
「人権デューディリジェンス」 とは、企業が人権を尊重する責任を果たすために用いる業務管理の方策のことであり、国連、ILOやOECDが取りまとめた企業の行動指針でも言及されています。デューディリジェンスのプロセスを通じて、企業は自らの企業活動が人権に及ぼす負の影響(潜在的なものを含む)を特定、防止、軽減することができ、その対応に責任を持つことにもつながります。International labour standards and human rightsで説明されているように労働者の権利は人権であり、あらゆるデューディリジェンスにおいて重要な一部分となっています。労働者の権利を守るために適切なデューディリジェンスを行うには、まず企業に何が期待されているのかをきちんと理解する必要があります。
多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(多国籍企業宣言)では、2011年に国連人権理事会に提出された文書 「ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合『保護、尊重及び救済』枠組実施のために」の趣旨と同じく、「多国籍企業を含む企業は、少なくとも、国際人権章典、並びに労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言に定める基本的権利に関する原則において表明されたものとして理解される、国際的に認められた人権に関連する実際の及び潜在的な負の影響を特定、防止、軽減するとともに、自社がこれにどのように対処するかについて責任を持つため、デューディリジェンスを実施すべきである」と述べられています(第10項(d))。
1998年の労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言は、「私たちの社会的・経済的生活にとって極めて重要な、人としての基本的な理念を守る」という、政府、使用者団体と労働組合による約束の表明です。ILOに加盟する組織が守るべき義務や約束が明示されていて、具体的には、結社の自由、団体交渉権の保障、あらゆる形態の強制労働の撤廃、児童労働の廃止、雇用と職業における差別の撤廃や安全で健康的な労働環境が挙げられています。
多国籍企業宣言では、自らの事業活動や、取引先との関係において生じる人権リスクを評価する方法について、さらに次の指針が示されています。「多国籍企業を含む企業は、(中略)自社が自らの活動を通じ、または、その取引関係の結果として関与する可能性のある、実際のまたは潜在的な人権への負の影響を特定し、評価すべきである。この過程には、潜在的に影響を受けかねない集団のほか、労働者団体を含め、該当する企業の規模並びにその事業の性質及び内容から見て適切な利害関係者(ステークホルダー)との有意義な協議を含めるべきである。多国籍企業宣言の目的を達成するため、この過程では、結社の自由と団体交渉及び継続的な過程としての労使関係と社会対話が果たす中心的な役割に配慮すべきである 」(第10項(e))。
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資料
ILO多国籍企業宣言:労働者のためのガイド