ILOブログ:技能

かつてないほど重要になってきた生涯学習

 生涯学習とは新しい概念ではありませんが、仕事の世界の急速な変化によって今やキャリアを通じて就業能力を保つためのカギを握るようになっています。

2018年05月08日

ILO雇用政策局ジャネット・サンチェス広報部長及びオリガ・ストリエツカ=イリナ上級技能・就業能力専門官

 生涯学習の概念は新しいものではありませんが、2018年3月に開かれた「就労のための技能グローバル知識共有プラットフォーム」の仕事の未来のための生涯学習に関するオンライン討議から導かれた中心的なメッセージは、「仕事の世界の急速な変化によって、生涯学習は今や、キャリアを通じて就業能力を保つためのカギを握る」というものでした。仕事の未来世界委員会の生涯学習に関する政策対話に先立ち、数日間にわたって開かれた討議には、アジア、米州、欧州、アフリカといった世界各地から参加者があり、労働者、使用者、政府が直面している課題がますます大きくなってきていることに対する懸念が表明され、様々な対策が提案されました。

 繰り返し指摘されたのは低技能年長労働者が今や労働市場で最も不利な集団と化し、状況は今後一層悪化するであろうとの見通しでした。学習は学校や職場といった壁の中だけで行われるものではなく、オンラインを含むあらゆる非公式な状況下で行われることや、過去の学習内容の認定と非公式に獲得した技能や学習の認定が必須であることが多くの参加者から指摘され、教育は継続的であるべきとの意見が強調されました。勤労生涯を通じて以前よりも多くの転職や職業の変更が必要になると見込まれるため、専門分野を早期に確定することに疑問を呈する声も聞かれました。

 変化の兆しは既に現れており、生涯学習や技能習得に関しては考え方の重要な変化が見られます。社会的パートナー(労使)が提供している技能ギャップを埋める手助けの例として、使用者、従業員、学習提供機関と協力して高齢労働者や低技能労働者を含む労働者の職場内学習を奨励している英国の「組合学習基金」やサービス部門の低技能労働者に訓練を提供しているベルギーの社会的パートナー基金などが紹介されました。フランス政府が設けた可搬型個人学習口座を通じて労働者は転職や退職後でも貯めておいた訓練時間を使うことができます。ジャマイカの国家開発計画である「ジャマイカ2030ビジョン」は、国民すべてを対象に、教育制度内のものに留まらず、成人教育や継続訓練、職場内その他自らの知識や技能、職務能力を学び育むことができるあらゆる場におけるあらゆる形態の学習・生涯技能向上の機会を支援するとされています。

 討議で指摘された以下のようなポイントは、生涯学習に対する姿勢の肯定的な変化を刺激するために何が必要かについて光を当てる助けになるかもしれません。

  • 技能需要の変化に適応できる熟練労働力の構築に必要となるであろうものは職務特定技能に加えて就業のための中核的なスキル
  • この中核的なスキルにはコミュニケーション能力、問題解決力、チームワーク、基礎技術習得力が含まれること
  • 各国は現在の及び将来的な技能ニーズと投資を評価する手段や仕組みを整備すべきこと
  • 大規模公開オンライン講座(MOOCS)や訓練動画リソースなどの革新的なデジタル技術は技能訓練機会の拡大に向けた、費用効果が高く、時間効率が良い方法であること
  • 政府、使用者、労働者が促進、関与、資金提供といった形でそれぞれの役割を演じて初めて生涯学習は奨励できること

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 以上は、討議の司会役を務めたILO雇用政策局のジャネット・サンチェス広報部長とオリガ・ストリエツカ=イリナ上級技能・就業能力専門官が、ILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に2018年5月8日付で投稿した英文記事の抄訳です。2018年5月14~25日に開かれる次のオンライン討議のテーマは見習い研修です。