移民家事労働者
「有り難うソマ」移民家事労働者とアラブの若者の関係を探るドキュメンタリー映画をILOが制作
国際移住者デー(12月18日)に際し、ILOは移民家事労働者についての一般的なイメージに挑むような新作ドキュメンタリー作品の初上映を行います。
2018年12月18日
2018年の国際移住者デー(12月18日)に際し、ILOはレバノンの若い女性ノウルさん(24歳)が、彼女を育て上げるのを支援した移民家事労働者のソマさん(57歳)と共にソマさんの故郷であるスリランカのカンディー近郊の小さな村を訪れたエピソードを扱った55分間のドキュメンタリー映画「有り難うソマ」の初上映会をベイルートで開催します。上映会では主な出演者、監督、ILOの移住専門官が参加するパネル討議が行われ、その後のレセプションではスリランカ料理が振る舞われます。
幼い子どもや友人と離れて約30年前に家事労働者として移住したスマナラタ・ハリスパッツワレ・ゲダラさん、通称「ソマ」さんが子育てを手伝ったノウル・シダニさんを伴って行った里帰りを記録した映画は、台本なしで撮影された真のドキュメンタリーです。この映画はILOの「束縛されずに働く計画」を通じて英国の国際開発省、中東地域公正移住(FAIRWAY)プロジェクトを通じてスイス開発協力庁の資金協力を得て制作されました。
旅は2人に自分たちの関係を考える機会を与えました。「生まれた時からそこにいたので、ソマのことを完全に知っていると思い込んでいました。でも、この旅行でソマの人生の物語をすべて目にできたことによってソマを見る目が変わりました。ソマが私と私の家族にしてくれたすべてのことへの感謝の気持ちは永遠に忘れません」とノウルさんは語っています。「ここ(スリランカ)に来て、ノウルはちょっと変わりました。私のことを学んだので、もしかしたら今は私と同じように感じているかもしれません」とソマさんは語っています。
世界全体で家事労働者は6,700万人を超え、そのうち1,150万人が移住家事労働者であり、その4分の1以上に当たる少なくとも316万人がアラブ地域で働いています。家事労働は典型的に「本当の仕事」と見られておらず、過小評価されているものの、家庭を支え、女性の労働力率上昇を可能にし、子どもや高齢者、障害者にとって不可欠なケアサービスを提供するといったように経済や社会に大きく貢献しています。
アラブ諸国は法規制構造の強化に努めていますが、労働者の賃金や旅券の取り上げ、週休日の否定、1日の労働時間数上限の無視などといった搾取的・虐待的な行為の継続には社会規範が寄与しています。キャロル・マンスール監督は、「ソマとノウルは変化のきっかけになることを期待して、勇敢にも自分たちの物語を世界と共有してくれました」として、映画がこのような態度の変化を助け、真の改善につながることへの期待を語っています。
このドキュメンタリー映画は、家事労働について考え、対話するよう奨励することを目指しています。アラブ地域全域にわたり、学校、大学、コミュニティーグループの間で討議の機会を伴う上映会が開かれる予定です。ルバ・ジャラダトILOアラブ総局長は次のように語っています。「この映画をもって家事労働に関して広く見られる社会の認識に挑み、この問題を新たな視点から示すことを希望しています。また、移民家事労働者の権利に関する会話にアラブの若者を従事させ、自分の家族や社会の中での家事労働者の役割について考えることを奨励したいと思っています」。