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o-フェニレンジアミンICSC: 1441 (9月 2002)
o-ジアミノベンゼン
1,2-ベンゼンジアミン
2-アミノアニリン
オルトフェニレンジアミン
CAS登録番号: 95-54-5
国連番号: 1673
EINECS番号: 202-430-6

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。  裸火禁止。  密閉系、粉塵防爆型電気設備および照明。 粉塵の堆積を防ぐ。  水噴霧、粉末消火薬剤を使用する。   

 作業環境管理を厳密に!  
  症状 予防 応急処置
吸入 紫色(チアノーゼ)の唇、爪および皮膚。 錯乱。 痙攣。 めまい。 頭痛。 吐き気。 意識喪失。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 
充血。 痛み。  呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグルまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 「吸入」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・密封
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
o-フェニレンジアミン ICSC: 1441
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
茶色~黄色の結晶。 光に曝露すると暗色になる。 

物理的危険性
粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 

化学的危険性
燃焼すると、分解する。 窒素酸化物などの有毒なフュームを生じる。 

化学式: C6H8N2 / C6H4 (NH2)2
分子量: 108.16
・沸点:256-258℃
・融点:103-104℃
・水への溶解度(35℃) :0.4 g/100 ml
・蒸気圧:0.0013 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.73
・引火点:156℃ (c.c.)
・爆発限界:1.5-? vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):0.15(計算値) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼を刺激する。 本物質は、皮膚および気道を軽度に刺激する。 血管に影響を与えることがある。 メトヘモグロビン生成を生じることがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化したとき、空気は汚染されても有害濃度に達しないか、達してもきわめて遅い; しかし、噴霧もしくは拡散すると、かなり急速に有害濃度に達する。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 血液に影響を与えることがある。 貧血を生じることがある。 人で発がん性を示す可能性がある。 


許容濃度
TLV: 0.1 mg/m3 (TWA); A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質).
MAK: 皮膚感作 (SH); 発がん性カテゴリー: 3; 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・ICSC 0805 および 1302 参照 

付加情報
  欧州分類
記号:T, N; R:20/21-25-36-40-43-50/53-68; S:(1/2)-28-36/37-45-60-61; Note:C 

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