« 検索結果一覧に戻る  
重クロム酸カリウムICSC: 1371 (4月 2013)
ヘプタオキシド二クロム酸二カリウム
二クロム酸カリウム
CAS登録番号: 7778-50-9
国連番号: 3288
EINECS番号: 231-906-6

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性だが、他の物質の燃焼を助長する。  可燃性物質と接触すると、火災および爆発の危険性がある。  可燃性物質との接触禁止。    周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 粉塵の拡散を防ぐ! あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 灼熱感。 咽頭痛。 咳。 喘鳴。 息苦しさ。  密閉系、または換気を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 痛み。 皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  少なくとも15分間多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 かすみ眼。 重度の熱傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 吐き気。 嘔吐。 腹痛。 灼熱感。 下痢。 ショック/虚脱。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 吐かせない。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・こぼれた物質を、ふた付きの 不燃性容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
・おがくずや、可燃性吸収剤に吸収させてはならない
・この物質を環境中に放出してはならない
 

国連GHS判定基準に準拠

flam circleskull;toxiccorrcancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
火災助長のおそれ;酸化剤
飲み込むと有毒
皮膚に接触すると有害
吸入すると、生命に危険
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれ
発がんのおそれ
生殖能または胎児への、悪影響のおそれ
腎臓の障害
吸入長期または反復曝露による鼻障害
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・可燃性物質、還元剤および食品や飼料から離しておく
・密封
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
重クロム酸カリウム ICSC: 1371
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
橙色~赤色の結晶。 

物理的危険性
 

化学的危険性
本物質は、強酸化剤。 可燃性物質や還元性物質と反応する。 水溶液は、弱酸である。 

化学式: K2Cr2O7
分子量: 294.2
・500℃で分解する
・融点:398℃
・密度:2.7 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :12 g/100 ml (溶ける) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 腎臓および肝臓に影響を与えることがある。 組織損傷を生じることがある。 

吸入の危険性
拡散すると、浮遊粒子が急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により鼻の潰瘍を引き起こすことがある。 鼻中隔の穿孔を生じることがある。 腎臓に影響を与えることがある。 腎臓障害を生じることがある。 人で発がん性を示す。 動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている。 


許容濃度
TLV: (Cr(VI)として, 吸引性画分) 0.0002 mg/m3 (TWA); 0.0005 mg/m3 (STEL); A1(人における発がん性が確認されている物質); (皮膚); (皮膚感作物質); (呼吸器感作性).
EU-OEL: ((Crとして)): 0.005 mg/m3 (TWA); (「注」参照); 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・汚染された衣服は(火災の危険があるため)、多量の水ですすぎ洗いする
・この物質により、喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと
・喘息の症状は、2~3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・EU-OELの許容限度である0.010mg/m³は、2025年1月17日まで。 限界値:ヒュームが発生する溶接もしくはプラズマによる切削加工、または類似の作業工程における0.025 mg/m³は、2025年1月17日まで 

付加情報
  欧州分類
記号:T+, N, O; R:45-46-60-61-8-21-25-26-34-42/43-48/23-50/53; S:53-45-60-61; Note:E, 3 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021