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塩化水銀(I)ICSC: 0984 (11月 2019)
塩化第一水銀
甘汞
CAS登録番号: 10112-91-1
国連番号: 2025
EINECS番号: 233-307-5

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 作業環境管理を厳密に!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。  安全ゴーグルを着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 下痢。 嘔吐。 金属味。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
飲み込むと有毒
皮膚に接触すると有害
皮膚および眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
長期または反復曝露による腎臓および神経系障害
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・暗所に保管
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・消火により生じる流出物を収容するための用意
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・重度の海洋汚染物質 
塩化水銀(I) ICSC: 0984
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
白色の 結晶性粉末。 

物理的危険性
データなし。 

化学的危険性
光の影響下で、 徐々に分解する。 塩化水銀および水銀を生じる。 ICSC 0979, 0056参照。 

化学式: Cl2Hg2
分子量: 472.09
・昇華点:383℃
・密度:7.15 g/cm³
・水への溶解度(25℃) :4 mg/l (ほとんど溶けない) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼、皮膚および気道を刺激する。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかし拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
中枢神経系、末梢神経系および腎臓に影響を与えることがある。 運動失調、感覚および記憶障害、疲労、筋力低下および腎臓障害を生じることがある。 


許容濃度
TLV: (Hgとして) 0.025 mg/m3 (TWA); (皮膚); A4(人における発がん性が分類できていない物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
MAK: (Hgとして, 吸引性画分): 0.02 mg/m3; ピーク曝露限度カテゴリー: II(8); 皮膚吸収 (H); 皮膚感作 (SH); 発がん性カテゴリー: 3; 妊娠中のリスクグループ: D; 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・魚類で、生物濃縮が起こることがある
・環境中に残存するので、環境中に放出しないように強く勧告する
・通常の使用法と異なる状況での環境中への放出を避ける
 

・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・他のCAS番号:7546-30-7  

付加情報
  欧州分類
H302; H315; H319; H335; H400; H410 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021