« 検索結果一覧に戻る  
2,4-トルエンジイソシアナートICSC: 0339 (5月 2018)
2,4-ジイソシアナトトルエン
2,4-トルエンジイソシアネート
CAS登録番号: 584-84-9
国連番号: 2078
EINECS番号: 209-544-5

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  加熱による分解で火災および爆発の危険性がある。  裸火禁止。 水との接触禁止。    粉末消火薬剤、二酸化炭素、大量の水を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 直接水をかけない。 安全な場所から消火作業を行う。 

 あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咽頭痛。 咳。 頭痛。 吐き気。 嘔吐。 息切れ。 息苦しさ。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  局所排気を使用する。 呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 水疱。 痛み。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 かすみ眼。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 「吸入」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 直ちに医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・特別な応急処置が必要である! 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health haz
注意喚起語:危険
吸入すると、生命に危険
皮膚刺激
重度の眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
発がんのおそれの疑い
長期的影響により、水生生物に有害 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・:「化学的危険性」参照から離しておく
・20~25℃で貯蔵
・乾燥
・換気のよい部屋に保管
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・適切な保管条件については、メーカーの取扱説明書を参照
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
2,4-トルエンジイソシアナート ICSC: 0339
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
刺激臭のある無色~淡黄色の液体、または刺激臭のある結晶。 空気に曝露すると淡黄色になる。 

物理的危険性
 

化学的危険性
水および多くの化学物質と重合する。 火災または爆発の危険を生じる。 燃焼すると、有毒なガスを生成する。 中毒の危険を生じる。 

化学式: C9H6N2O2 / CH3C6H3(NCO)2
分子量: 174.2
・沸点:251℃
・融点:22℃
・比重(水=1):1.2
・水への溶解度 : 反応する
・蒸気圧:1.3 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):6.0
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.00
・引火点:127℃ (c.c.)
・発火温度:620℃
・爆発限界:0.9-9.5 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):3.4  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:蒸気の吸入、エアロゾルの吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質やその蒸気やエアロゾルは、眼、皮膚および気道を刺激する。 蒸気を吸入すると、喘息様反応を引き起こすことがある。 蒸気を吸入すると、化学気管支炎、肺炎および肺水腫を引き起こすことがある。 許容濃度をはるかに超えて曝露すると、死を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 人で発がん性を示す可能性がある。 


許容濃度
TLV: (吸入性画分及び蒸気) 0.001 ppm (TWA); 0.005 ppm (STEL); (皮膚); (皮膚感作物質); (呼吸器感作性) A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
MAK: (蒸気およびエアロゾル): 0.007 mg/m3;0.001 ppm; ピーク曝露限度カテゴリー: I(1); (超過すべきでない瞬間値): 0.035 mg/m3;0.005 ppm; 妊娠中のリスクグループ: C; 気道および皮膚感作 (SAH); 

環境
・水生生物に対して有害である
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
 

・テクニカル トルエン ジイソシアネートには、100% 2,4-TDI もしくは2,4-TDIおよび 2,6-TDIの異性体混合物がある。 TDIは一般名。異性体混合物のCAS番号は26471-62-5である
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・喘息の症状は、2~3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・この物質により、喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること 

付加情報
  欧州分類
記号:T+; R:26-36/37/38-40-42/43-52/53; S:(1/2)-23-36/37-45-61; Note:C 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021