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臭化シアンICSC: 0136 (12月 2000)
ブロモシアン
CAS登録番号: 506-68-3
国連番号: 1889
EINECS番号: 208-051-2

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性だが、水または湿った空気に触れると引火性ガスを生じる。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咽頭痛。 咳。 灼熱感。 痙攣。 めまい。 頭痛。 息切れ。 息苦しさ。 吐き気。 意識喪失。 嘔吐。  密閉系、または換気を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。 水疱。 他の症状については、「吸入」参照。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。  呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  医療機関に連絡する。 「注」参照。 口をすすぐ。 吐かせる(意識がある場合のみ!)。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・換気
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、ふた付きの 密閉式容器内に掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):8; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・「化学的危険性」参照
・乾燥
・密封
 
包装
・気密
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・海洋汚染物質 
臭化シアン ICSC: 0136
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
刺激臭のある無色の または 白色の結晶。 

物理的危険性
蒸気は空気より重い。 

化学的危険性
加熱や酸との接触により、分解する。 非常に有毒で引火性のシアン化水素(ICSC 0492 参照)および腐食性の臭化水素(ICSC 0282 参照)を生じる。 強酸化剤と反応する。 水および水分と ゆっくりと反応する。 臭化水素およびシアン化水素を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 

化学式: BrCN
分子量: 105.9
・沸点:61-62℃
・融点:52℃
・密度:2.0 g/cm³
・水への溶解度 : 徐々に反応する
・蒸気圧:16.2 kPa (25℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.6
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.53
・室温で昇華する 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:蒸気の吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼、皮膚および気道を重度に刺激する。 蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 細胞呼吸に影響を与えることがある。 痙攣、意識喪失および呼吸不全を生じることがある。 医学的な経過観察が必要である。 曝露すると、死を引き起こすことがある。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 きわめて急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
TLV: 0.3 ppm (STEL); 

環境
・この物質の、環境への影響は十分に調べられていない
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・室温で昇華する。
・肺水腫の症状は、2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する
・通常、市販品はクロロホルム溶液である。 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021