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リンデンICSC: 0053 (11月 2016)
γ-1,2,3,4,5,6-ヘキサクロルシクロヘキサン
γ-BHC
γ-HCH
CAS登録番号: 58-89-9
国連番号: 2761
EINECS番号: 200-401-2

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  製剤が引火性/爆発性溶剤を含む場合火災および爆発の危険性がある。      周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 あらゆる接触を避ける! 授乳期の女性への曝露を避ける!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 他の症状については、「経口摂取」参照。  粉塵の吸入を避ける。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり!  保護手袋。 保護衣。  応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 吐き気。 嘔吐。 下痢。 頭痛。 めまい。 振戦。 痙攣。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。ただし痙攣を起こしている場合は飲ませない。 直ちに医療機関に連絡する。 安静。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた有機ガスおよび粒子用フィルター付マスク、自給式呼吸器付化学保護衣および保護手袋
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、密閉式の 非金属製容器内に集める
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
飲み込むと、または皮膚に接触すると有毒
吸入すると有害
発がんのおそれ
授乳中の子に害を及ぼすのおそれ
長期または反復曝露による神経系、骨髄および肝臓障害
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・密封
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・塩基および食品や飼料から離しておく
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・重度の海洋汚染物質 
リンデン ICSC: 0053
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
白色の 結晶性粉末。 

物理的危険性
データなし。 

化学的危険性
加熱や燃焼により、分解する。 塩素(ICSC 0126 参照)、塩化水素(ICSC 0163 参照)およびホスゲン(ICSC 0007 参照)を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 塩基と反応する。 塩化水素およびトリクロロベンゼン(ICSC 0344,1049 および 1222参照)を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 

化学式: C6H6Cl6
分子量: 290.8
・沸点:323℃
・融点:113℃
・密度:1.9 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :0.0007 g/100 ml (非常に溶けにくい)
・蒸気圧:0.0012 Pa (20℃)
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1
・log Pow (オクタノール/水分配係数):3.61 - 3.72  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
中枢神経系に影響を与えることがある。 痙攣を生じることがある。 曝露すると、死を引き起こすことがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
拡散すると、浮遊粒子が急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
神経系、骨髄および肝臓に影響を与えることがある。 人で発がん性を示す。 動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている。 


許容濃度
TLV: 0.5 mg/m3 (TWA); (皮膚); A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質).
MAK: (吸引性画分): 0.1 mg/m3; ピーク曝露限度カテゴリー: II(8); 皮膚吸収 (H); 発がん性カテゴリー: 4; 妊娠中のリスクグループ: C; 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・食物連鎖において、たとえば魚類および魚介類で生物濃縮が起こることがある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・通常の使用法でも、環境中へ放出される
・不適切な廃棄などによる、さらなる放出を避けるよう十分注意すること
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・火や高温面の近くで、または溶接作業中に使用してはならない
・ICSC 0487, 0795 および 0796 参照 

付加情報
  欧州分類
記号:T, N; R:20/21-25-48/22-64-50/53; S:(1/2)-36/37-45-60-61 

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