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ホスゲンICSC: 0007 (10月 2013)
塩化カルボニル
カルボニルクロライド
CAS登録番号: 75-44-5
国連番号: 1076
EINECS番号: 200-870-3

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。  火災時:水を噴霧して圧力容器を冷却する。 直接水をかけない。 安全な場所から消火作業を行う。 

 あらゆる接触を避ける! 応急処置:個人用保護具。 いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 胸部圧迫感。 息切れ。 吐き気。 嘔吐。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  密閉系、または換気を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 酸素処置が必要なことがある。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 液体に触れた場合:凍傷。  保温手袋。 保護衣。  凍傷の場合:多量の水で洗い流し、衣服は脱がせない。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 直ちに医療機関に連絡する。 
充血。 流涙。 液体に触れた場合:凍傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 直ちに医療機関に連絡する。 
経口摂取      

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・換気
・できれば圧力容器の栓を閉める
・細かな噴霧水を用いて、ガスを除去する
・ガスが離散するまで、その区域を隔離する
 

国連GHS判定基準に準拠

cylinder;gasskull;toxiccancer;health haz
注意喚起語:危険
加圧ガス;熱すると爆発のおそれ
吸入すると、生命に危険
重度の眼刺激
呼吸器系への刺激のおそれ
肺の障害
長期または反復曝露による肺障害 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):2.3; 国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):8 

貯蔵
・建物内にある場合、耐火設備
・作業領域から隔離しておく
・混触危険物質から離しておく
・「化学的危険性」参照
・冷所
・乾燥
・床面に沿って換気
 
包装
 
ホスゲン ICSC: 0007
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の 圧縮 液化気体。 

物理的危険性
気体は空気より重い。 

化学的危険性
300℃以上で分解する。 水または水分と接触すると、分解する。 腐食性の塩酸(ICSC 0163 参照)を生じる。 エタノール、強酸化剤、アンモニア、アミンおよびアルミニウムと 激しく反応する。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 

化学式: COCl2
分子量: 98.9
・沸点:8℃
・融点:-128℃
・比重(水=1):1.4
・水への溶解度 : 反応する
・蒸気圧:161.6 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.4  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入。 

短期曝露の影響
この液体が急速に気化すると、凍傷を引き起こすことがある。 本物質は、眼および気道を刺激する。 ガスを吸入すると、肺水腫および化学性肺炎を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 「注」参照。 高濃度で曝露すると、死を引き起こすことがある。 

吸入の危険性
容器を開放すると、空気中でこの気体は、きわめて急速に有害濃度に達する。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の曝露により、肺が冒されることがある。 機能障害および感染に対する抵抗力の低下を生じることがある。 


許容濃度
TLV: 0.1 ppm (TWA);.
MAK: 0.41 mg/m3;0.1 ppm; ピーク曝露限度カテゴリー: I(2); 妊娠中のリスクグループ: C;.
EU-OEL: 0.08 mg/m3, 0.02 ppm (TWA); 0.4 mg/m3, 0.1 ppm (STEL); 

環境
 

・刺激や特徴的な臭気(草や干し草)が現れなくても、深刻な中毒になることがある
・肺水腫の症状は、2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・(圧力容器の腐食を防ぐため)漏出している圧力容器に水を噴霧してはならない
・圧力容器が漏出しているときは、気体が液状で漏れるのを防ぐため、洩れ口を上にする
・このカード情報は、化学反応によって、または塩素を含む有機化合物の分解によって生成されたホスゲンにも適用される 

付加情報
  欧州分類
記号:T+; R:26-34; S:(1/2)-9-26-36/37/39-45; Note:U 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021