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クロム酸鉛ICSC: 0003 (6月 2012)
CAS登録番号: 7758-97-6
国連番号: 2291
EINECS番号: 231-846-0

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  混触危険物と接触すると、火災および爆発の危険性がある。 「化学的危険性」参照。
 
  混触危険物との接触禁止: 「化学的危険性」参照。
 
周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 粉塵の拡散を防ぐ! あらゆる接触を避ける!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 
皮膚   保護手袋。 保護衣。  洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 
充血。  粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグルまたは眼用保護具を着用する。  多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 
経口摂取 「短期曝露の影響」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を特殊装置で吸引する
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

cancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
発がんのおそれ
吸入すると、生殖能または胎児への、悪影響のおそれ
長期または反復曝露による臓器の障害のおそれ
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・食品や飼料および混触危険物質から離しておく
・「化学的危険性」参照
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・消火により生じる流出物を収容するための用意
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
クロム酸鉛 ICSC: 0003
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
黄色~橙黄色の 結晶性粉末。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱すると、分解する。 鉛酸化物などの有毒なフュームを生じる。 可燃性物質、アミン、塩基、金属などの多くの物質と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 

化学式: PbCrO4
分子量: 323.2
・沸点:データなし(加熱すると分解する)
・融点:844℃
・密度:6.3 g/cm³
・水への溶解度(25℃) : 溶けない 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:粉塵の吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、気道を刺激する。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかしとくに粉末状の場合、噴霧もしくは拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
血液、骨髄、中枢神経系、末梢神経系、腎臓および肺に影響を与えることがある。 貧血、末梢神経疾患、胃痙攣および腎臓障害を生じることがある。 人で発がん性を示す。 人で生殖・発生毒性を引き起こすことがある。 


許容濃度
TLV: (Cr(VI)として, 吸引性画分) 0.0002 mg/m3 (TWA); 0.0005 mg/m3 (STEL); (皮膚感作物質); (呼吸器感作性) A1(人における発がん性が確認されている物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
TLV: (Pbとして) 0.05 mg/m3 (TWA).
EU-OEL: ((Crとして)): 0.005 mg/m3 (TWA); (「注」参照);.
EU-OEL: ((Pbとして)): 0.15 mg/m3 (TWA); (結合性): BLVの記載あり;.
MAK: (吸引性画分): 発がん性カテゴリー: 1; 生殖細胞変異原性グループ: 2; 

環境
・食物連鎖において、生物濃縮が起こることがある
・水生生物に対して強い毒性がある
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・クロム酸は人における発がん性が疑われる物質であるが、本物質に関する証拠は限られている
・クロム酸鉛色素はかなりの量の水溶性鉛化合物を含有することがある
・有毒なフューム(鉛とクロムの化合物)が、クロム酸鉛で処理された物質の溶接、切削、加熱時に発生する
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・クロム酸鉛は紅鉛鉱やフェニサイトとして自然界に存在する
・この物質の吸引に、家庭用掃除機を使用してはならない。特殊装置のみ使用すること
・EU-OELの許容限度である0.010mg/m³は、2025年1月17日まで。 限界値:ヒュームが発生する溶接もしくはプラズマによる切削加工、または類似の作業工程における0.025 mg/m³は、2025年1月17日まで 

付加情報
  欧州分類
記号:T, N; R:45; R:61-62-33-50/53; S:53-45-60-61 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021