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モノクロトホスICSC: 0181 (11月 2016)
トランス-モノクロトホス
CAS登録番号: 6923-22-4
国連番号: 2783
EINECS番号: 230-042-7

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  製剤が引火性/爆発性溶剤を含む場合火災および爆発の危険性がある。  裸火禁止。    水噴霧、乾燥粉末消火剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。   

 粉塵の拡散を防ぐ! 作業環境管理を厳密に! 青少年や小児への曝露を避ける! いずれの場合も医師に相談! 応急処置:個人用保護具。 
  症状 予防 応急処置
吸入 縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰。 頭痛。 発汗。 筋攣縮。 脱力感。 吐き気。 嘔吐。 息苦しさ。 意識喪失。 症状は遅れて現われることがある。  換気(粉末でない場合)、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 他の症状については、「吸入」参照。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 直ちに医療機関に連絡する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 
吸収される可能性あり! 充血。 かすみ眼。 他の症状については、「吸入」参照。  粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 直ちに医療機関に連絡する。 
経口摂取 「吸入」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 吐かせない。 直ちに医療機関に連絡する。 「注」参照。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、ふた付きの 密閉式、プラスチック容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health hazenviro;aqua
飲み込んだり、皮膚に接触または吸入すると生命に危険
遺伝性疾患のおそれの疑い
神経系の障害
長期または反復曝露による神経系障害
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・食品や飼料から離しておく
・乾燥
・密封
・換気のよい部屋に保管
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・海洋汚染物質 
モノクロトホス ICSC: 0181
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
無色の 吸湿性の結晶。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱や燃焼により、分解する。 窒素酸化物、リン酸化物などの有毒で刺激性のフュームを生じる。 鉄、スチールおよび真鍮を侵す。 

化学式: C7H14NO5P / (CH3O)2PO-OC(CH3)=CHCO-NHCH3
分子量: 223.2
・沸点:125℃ (0.00007 kPa)
・融点:54-55℃
・密度:1.22 g/cm³ (20℃)
・水への溶解度(20℃) :100 g/100 ml (混和する)
・蒸気圧:0.0003 Pa (20℃) (ほとんどない)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):-0.2(計算値) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
コリンエステラーゼ阻害。 神経系に影響を与えることがある。 痙攣および呼吸不全を生じることがある。 医学的な経過観察が必要である。 曝露すると、死を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 「注」参照。 

吸入の危険性
拡散すると、浮遊粒子が急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
コリンエステラーゼ阻害。 影響が蓄積される可能性がある。 「一次災害/急性症状」参照。 


許容濃度
TLV: 0.05 mg/m3 (TWA); (皮膚); A4(人における発がん性が分類できていない物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり; 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・環境に有害な場合がある。ハチ、鳥類および哺乳類への影響にとくに注意すること
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・通常の使用法でも、環境中へ放出される
・不適切な廃棄などによる、さらなる放出を避けるよう十分注意すること
 

・このカードはトランス型モノクロトホスに適用される
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・製剤に溶剤が使用されている場合は、その溶剤のICSCも参照のこと。
・市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・CAS 919-44-8はシス型モノクロトホスであり、CAS 2157-98-4は不特定モノクロトホスである 

付加情報
  欧州分類
記号:T+, N; R:24-26/28-50/53-68; S:(1/2)-36/37-45-60-61 

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