2010年のHIV及びエイズ勧告(第200号)

正 式 名: HIV及びエイズ並びに労働の世界に関する勧告
(第99回総会で2010年6月17日採択。最新の勧告)

勧告の主題別分類:HIV及びエイズ  勧告のテーマ:HIV及びエイズ

[ 概 要 ]
仕事の世界におけるHIV(エイズウイルス)とエイズの問題に特に焦点を当てた初の国際人権文書。HIVの予防、治療、ケア、サポートへのユニバーサル・アクセスに対する仕事の世界の寄与を強化することを目指し、職場及び全国レベルでの反差別措置と予防計画に関する規定を含む。特に雇用継続の点から見た、HIVに感染した労働者その他の人々の雇用と所得創出活動の重要性を強調している。同時に採択された勧告の促進と実施に関する決議は、ILO理事会に対して新基準の実施に向けてより多くの資金を割り当てること、その幅広い実施を達成するためにグローバルな行動計画を策定すること、ILO加盟国に定期報告を求めることなどを提案している。
勧告は、ILOが2001年に採択した「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」を増強し、ILOと加盟国政労使の活動を導くだけでなく、エイズに係わる国際社会の調整を高める重要な文書となることを意図している。軍隊及び制服着用職、インフォーマル経済を含むあらゆる経済活動部門、ボランティアやインターンなどあらゆる取り決め・形態下で働いているすべての労働者を対象とし、HIV及びエイズと仕事の世界に関する国の政策並びに事業計画を策定すべきこと、HIV及びエイズと仕事の世界に関する政策並びに事業計画を開発計画や貧困軽減戦略に組み込むことを求め、その実行のための手引きを示している。さらに、最も代表的な労使団体の参加も得て、政策の進展状況をモニタリングする仕組みの整備や統計データ・詳しい情報の収集、勧告に基づきとられた行動の定期的な見直しを国連合同エイズ計画(UNAIDS)に提出する国別報告に含むことなどといったフォローアップ行動を提案している。
また、HIV及びエイズに対する対応は、労働者、その家族、その被扶養者を含むすべての人の人権、基本的自由、男女平等の実現に寄与するものとして認識されるべきこと、労働者はHIV検査を受けたり、自らのHIVに係わる状態を開示するよう求められるべきでないことなど、仕事の世界におけるHIV及びエイズに対する国の対応に関連したあらゆる行動に適用すべき11の一般原則を掲げている。
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