1969年の医療及び疾病給付勧告(第134号)

ILO勧告 | 1969/06/25

医療及び疾病給付に関する勧告(第134号)

 国際労働機関の総会は、
 理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百六十九年六月四日にその第五十三回会期として会合し、
 この会期の議事日程の第五議題である千九百二十七年の疾病保険(工業)条約及び千九百二十七年の疾病保険(農業)条約の改正に関する提案の採択を決定し、
 この提案が千九百六十九年の医療及び疾病給付条約を補足する勧告の形式をとるべきであることを決定したので、
 次の勧告(引用に際しては、千九百六十九年の医療及び疾病給付勧告と称することができる。)を千九百六十九年六月二十五日に採択する。
1 この勧告において、
 (a) 「法令」とは、法令及び社会保障に関する規約をいう。
 (b) 「所定の」とは、国内法令により又はこれに基づいて決定されたことをいう。
 (c) 居住とは、加盟国の領域内に通常居住することをいい、「居住者」とは、加盟国の領域内に通常居住する者をいう。
 (d) 「被扶養者である」とは、所定の場合に存在すると推定される被扶養の状態をいう。
 (e) 「妻」とは、その夫の被扶養者である妻をいう。
 (f) 「子」とは、次の者をいう。
  (i)  義務教育終了年齢又は十五歳のいずれか高い方の年齢に達しない子
  (ii) 所定の条件の下においては、(i)に定める年齢よりも高い所定の年齢に達しない子であつて、徒弟訓練生若しくは学生であるもの又は慢性疾患若しくは病弱のため有償活動に従事することができないもの
 (g) 「資格期間」とは、所定の拠出期間、雇用期間若しくは居住期間又はこれらの所定の組合せをいう。
 (h) 「疾病」とは、すべての病的状態(原因のいかんを問わない。)をいう。
 (i) 「医療」とは、関連する給付を含む。
2 加盟国は、必要な場合には段階的にかつ適当な条件の下に、千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第八条の医療について規定する法令の適用を次の者に及ぼすべきである。
 (a) 臨時に雇用される者
 (b) 使用者と同居する使用者の家族の構成員であつて使用者のために労働するもの
 (c) 経済活動に従事するすべての者
 (d)  (a)から(c)までに掲げる者の妻及び子
 (e) すべての居住者
3 千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第八条の医療は、次のものを含むべきである。
 (a) 眼鏡のような医療補助具の支給
 (b) 回復期患者に対する便宜
4 千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第八条の医療を受ける権利には、資格期間の条件を付すべきではない。
5 受給者が保護対象者の種類に属しなくなる場合には、当該受給者がその種類に属していた間に発生した疾病については、千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第八条の医療は、事故の全期間にわたつて支給すべきである。
6 千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第二部及び第三部に定める給付は、所定の条件の下に、加盟国の領域を一時的に離れる保護対象者に対しても引き続き支給すべきである。
7 受給者又は適当な場合にはその扶養者は、次の場合には、千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第八条の医療の費用を分担させられるべきではない。
 (a) その生計手段が所定の額をこえない場合
 (b) 長期の医療を要すると認められる疾病の場合
8 疾病給付についての保護対象者は、所得の喪失を伴う欠勤が次の理由によつて正当とされる場合には、現金給付を支給されるべきである。
 (a) 保護対象者が治療的又は予防的医療を受ける必要があること。
 (b) 保護対象者が検疫のために隔離されていること。
 (c) 保護対象者がリハビリテーションのため医師の監督の下に置かれていること。
 (d) 保護対象者が回復期休暇中であること。
9 病気中の保護対象者であつて通常の労働に従事することが全く不可能ではないものは、正規の労働時間中に必要な治療を受けるための合理的な便宜を与えられるべきである。
10 経済活動に従事しかつ病気中の被扶養者を看護しなければならない保護対象者を援助するため、適当な措置がとられるべきである。
11 加盟国は、必要な場合には段階的にかつ適当な条件の下に、千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第十八条の疾病給付について規定する法令の適用を次の者に及ぼすべきである。
 (a) 臨時に雇用される者
 (b) 使用者と同居する使用者の家族の構成員であつて使用者のために労働するもの
 (c) 経済活動に従事するすべての者
12 千九百六十九年の医療及び疾病給付条約第二十二条1及び第二十三条1の百分率は、少なくとも六と三分の二を加えた百分率に引き上げるべきである。
13 疾病に起因しかつ所得の停止を伴う労働不能に対する現金給付は、事故の全期間にわたつて支給すべきである。