1948年の夜業(女子)条約(改正)の議定書、1990年

ILO条約 | 1990/06/26

千九百四十八年の夜業(女子)条約(改正)の千九百九十年の議定書
(日本は未批准、仮訳)

 国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百九十年六月六日にその第七十七回会期として会合し、
その会期の議事日程の第四議題である夜業に関する提案の採択を決定し、
その提案が千九百四十八年の夜業(女子)条約(改正)(以下「条約」という。)の議定書の形式をとるべきであることを決定して、
次の議定書(引用に際しては、千九百四十八年の夜業(女子)条約(改正)の議定書と称することができる。)を千九百九十年六月二十六日に採択する。

第 一 条

1(1) 最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議した上で制定される国内法令には、次の部門及び事業場については、権限のある機関の決定により条約第二条に定義する夜間の時間の変更及び条約第三条の夜業の禁止に関する規定の適用除外を導入することができることを定めることができる。
(a) 活動又は職業の特定の部門。ただし、関係のある代表的な使用者団体及び労働者団体が協定を締結し又は合意を与えることを条件とする。
(b)  (a)に基づいて行われる権限のある機関の決定により対象とされない一又は二以上の特定の事業場。ただし、次のことを条件とする。
(i)  その事業場又は企業において関係のある使用者と労働者の代表者との間で協定が締結されていること。
(ii) その関係のある活動若しくは職業の部門の代表的な使用者団体及び労働者団体が又は最も代表的な使用者団体及び労働者団体が協議を受けていること。
(c)  (a)に基づいて行われる権限のある機関の決定により対象とされない一又は二以上の特定の事業場であって、(b)(i)に従った協定がまだ締結されていない事業場。ただし、次のことを条件とする。
(i)  その関係のある活動若しくは職業の部門の代表的な使用者団体及び労働者団体が又は最も代表的な使用者団体及び労働者団体が並びに事業場若しくは企業の労働者の代表者が協議を受けていること。
(ii)  権限のある機関が職業上の安全、健康及び社会的な便益並びに女子労働者の機会及び待遇の均等についてその事業場に適当な保障措置が存在すると認めていること。
(iii) 権限のある機関の決定が、特定の期間において適用されること。この決定は、(i)及び(ii)の手続により更新することができる。
(2) この1の適用上、「労働者の代表者」とは、千九百七十一年の労働者代表条約に従って、国内法又は国内慣行により認められる労働者の代表者をいう。
2 1の国内法令においては、変更及び適用除外が認められる場合並びにそれらに係る条件を決定する。

第 二 条

1 前条に基づいて認められる変更及び適用除外は、出産予定日前の少なくとも八週間を含む産前産後の少なくとも十六週間の期間は女子労働者に対して適用してはならない。国内法令においては、女子労働者及びその子の健康が危険にさらされないことを条件として、その女子労働者の明示の要請があるときにはその適用を認めることができる。
2 1に規定する適用の禁止は、母親又は子の健康のために必要であることを明示する健康の証明書が提出されている次の追加的な期間についても適用する。
(a) 妊娠中
(b) 1に基づいて定める産後の期間を延長する特定の期間
3 1及び2の期間においては、
(a) 女子労働者は、妊娠又は出産に関連しない正当な理由に基づく場合を除き、解雇され又は解雇の予告を受けない。
(b) 女子労働者の所得は、適当な生活水準に従って本人及びその子の生活の維持に十分な水準に維持される。この所得の維持は昼間の労働への配置、母性休暇の延長、社会保障給付若しくは他の適当な措置又はこれらの措置の組合せによって確保することができる。
4 1から3までの規定は、母性休暇に関連する保護及び利益を減少させる効果をもたない。

第 三 条

 国際労働機関憲章第二十二条の規定に従って提出するこの条約の適用に関する報告には、この議定書に基づいて導入される変更及び適用除外に関する情報を含めるものとする。

第 四 条

1 加盟国は、この議定書の正式の批准を登録するため国際労働事務局長に通知することにより、条約の批准と同時に又はその後にこの議定書を批准することができる。この議定書の批准は、事務局長により登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。その後は、条約は、この議定書第一条から第三条までを追加されたものとして、当該加盟国を拘束する。
2 事務局長は、千九百四十八年の夜業(女子)条約(改正)の締約国から通知を受けたこの議定書のすべての批准の登録をすべての加盟国に通告する。
3 事務局長は、国際連合憲章第百二条の規定による登録のため、1の規定に従って登録されたすべての批准の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。

第 五 条

 この議定書の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。