2007年の漁業労働条約(第188号)

正 式 名 : 漁業部門における労働に関する条約
(第96回総会で2007年6月14日採択。条約発効日:2017年11月16日。最新の条約)

日本の批准状況:未批准 ◆批准国一覧(英語)

条約の主題別分類:漁船員  条約のテーマ:漁船員

[ 概 要 ]
 2006年に採択された海事労働条約が適用されない漁業従事者に国際的な保護を提供することを目的とした、漁業労働に関する包括的な条約。この分野の四つの条約(1959年の最低年齢(漁船員)条約(第112号)1959年の健康検査(漁船員)条約(第113号)1959年の漁船員の雇入契約条約(第114号)1966年の船員設備(漁船員)条約(第126号))を改正し、沿岸国8カ国を含む10カ国の批准をもって発効する。
 自家消費のための漁やレクリエーションとしての釣りを除くあらゆる漁業活動に従事するあらゆる漁業者(水先人、軍艦乗組員、政府に永続的に勤務するその他の者、漁船上で仕事を遂行する陸上を拠点とする者、漁場観測者を除く)とあらゆる漁船を対象とし、以下の構成を取る。
  • 第1部:定義と適用範囲
  • 第2部:一般原則-実行、権限当局と調整、漁船所有者・船長・漁業者の責任
  • 第3部:漁船上における労働の最低要件-最低年齢、健康検査
  • 第4部-勤務条件:乗組員の配乗と休息時間、乗組員名簿、漁業者の労働契約、本国送還、募集と職業紹介、漁業者への支払い
  • 第5部:居住設備と食料
  • 第6部:医療、健康保護、社会保障-医療、労働安全衛生と事故予防、社会保障、業務関連疾病・負傷・死亡の際の保護
  • 第7部:遵守と取り締まり
  • 第8部:附属書1、2、3の改正
  • 第9部:最終規定
  • 附属書1:測定における換算-船舶の長さと全長について規定
  • 附属書2:漁業者の労働契約-漁業者の労働契約に含むべき項目を提示
  • 附属書3:漁船の居住設備-騒音や通風、寝室など居住設備についての細目を規定
 漁業従事者がしばしば長期にわたって海上で暮らす事情を反映するように漁船が建造・保守されていることの確保に向けた規定や、旗国と寄港国の双方における遵守と取り締まりに関する規定も含まれる。海事労働条約同様、条約未批准国の船舶が批准国の船舶より有利な取扱いを受けないことも規定されている。全ての規定を直ちに実行できる機構や基盤構造を備えている国が多くない可能性を考慮し、一部規定の漸進的な実施を許す柔軟な措置も盛り込まれている。
総会では同名の補足的勧告(第199号)に加え、次の四つの決議も同時に採択された。
  1. 2007年漁業労働条約の批准促進に関する決議-条約の旗国による実行や漸進的な実行に向けた国内行動計画樹立のための指針開発など、条約の批准及び実行を奨励する措置の実施を理事会を通じて事務局長に求めるもの。
  2. 寄港国による検査に関する決議-寄港国における検査を担当する職員の手引きを開発する三者構成専門家会議の開催を求めるもの。
  3. トン数測度と居住設備に関する決議-附属書3に影響する1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の改正評価などを求めるもの。
  4. 漁業者の福祉推進に関する決議-すべての漁業従事者に対する実効的な社会保障の推進など漁業に関連した社会事項の検討を理事会を通じて事務局長に求めるもの。

  • 解説パンフレット「ディーセントな労働条件、安全と社会的保護:漁業部門における労働に関する条約(第188号)及び漁業部門における労働に関する勧告(第199号)」
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