1992年の労働者債権保護(使用者の支払不能)条約(第173号)

正 式 名 : 使用者の支払不能の場合における労働者債権の保護に関する条約
(第79回総会で1992年6月23日採択。条約発効日:1995年6月8日。最新の条約)

日本の批准状況:未批准 ◆批准国一覧(英語)

条約の主題別分類:賃金の保護  条約のテーマ:賃金

[ 概 要 ]

 この条約の批准国は、優先権による労働者債権の保護を規定した第2部、または保証機関による労働者債権の保護を規定した第3部のいずれか、または両方を受諾するか、選択できる。
第2部では、労働者債権は、他の債権者や国の社会保障制度の請求権に優先して支払われるとする。この優先権に含まれるのは少なくとも、

  1. 支払不能または解雇の前3カ月を下回らない所定期間中の賃金債権
  2. 支払不能または雇用の終了の年とその前年中に就労により発生した有給休暇債権
  3. 支払不能または雇用の終了の前3カ月を下回らない所定期間中の他の有給欠勤債権、及び
  4. 雇用の終了に伴う離職手当

とされる。
第3部「保証機関による労働者債権の保護」項目は第2部と同一であるが、保護期間が1と3は8週間、2は6カ月に短縮される。第2部、第3部いずれの場合も、保証額の上限は社会的に受け入れられる水準に限定できるが、必要に応じてその価値を維持するため調整される。
同名の勧告(第180号)が同時に採択されている。
1949年の賃金保護条約(第95号)はこの条約により、一部改正されている。

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