広報動画-テレワーク

効果的かつ生産的なテレワークのコツ

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によってテレワークを開始した方々も多いとみられます。ILOの専門家らが人間工学的に適切で効果的なテレワークのコツをお伝えします。

効果的なテレワークのために知っておくべき五つのこと

 労働時間の専門家として長くテレワーク問題の研究に携わり、『21世紀のテレワーク』などの著作物があるジョン・メッセンジャーILO労働条件上級専門官が新型肺炎コロナウイルス危機に際し、効果的なテレワークに向けた五つのヒントをお伝えします。

効果的なテレワークのためのコツを説くメッセンジャー専門官(英語・1分52秒)

 新型肺炎コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行によって多くの人がテレワークを求められているかと思います。これは様々な課題を提起しますが、あらゆる場合に通用する重要なポイントが幾つか存在します。もしかすると今は、この重要性が一層高まっているかもしれません。

 一つ目はマネジメントによるサポートです。トップから最前線の現場監督に至る経営陣・管理職による支援。これが効果的なテレワークの絶対的なカギを握るものです。

 二つ目は適切なツールと研修です。これは同僚との連絡を保つために必要不可欠です。適当なアプリ、十分な技術サポート、そしてテレワークに従事する人とマネジャーの両方を対象としたトレーニングが必要です。

 3番目として、必要な結果について管理部門の期待を明確に示す必要もあります。どんな条件のどんな成果が必要か、労働者に何回連絡を取るか、連絡を取ってはいけない時間など。こういった全てのことを前もって明らかにしておく必要があります。

 4番目は時間を司る権利です。労働者ができるだけ生産的になれるよう、それぞれが最も都合の良い時間と場所で働ける力を与える必要があります。

 5番目として、誰もが自分自身の個人的な境界を管理できる戦略が必要です。これには専用の仕事場のような有償労働と個人の生活の境を確実に保てるための様々な仕組みが含まれます。とりわけ、例えば自宅のように、テレワークをしようとしている場に複数の人がいる場合は、これが不可欠です。でも同時に仕事から離れられなくてはなりません。接続を切り、実際に休息しリラックスする時間が取れる必要があります。

 最後の一つとして信頼があります。これは以上の全てを結びつける接着剤です。テレワークを行う労働者本人とマネジャーの間に、そして同僚全ての間に信頼が必要です。これが一緒になって効果的なテレワーク戦略につながります。

人間工学の観点から見たテレワーク時の留意事項

 新型コロナウイルスに対する最善の安全策はウイルスに接触しないことです。そのために在宅勤務が推奨されていますが、ILOのエロイ・アロンソ=マエストレ労働安全衛生調整官はテレワークに慣れていない場合が多い人々に向けて効率的かつ生産的にテレワークを進めるための留意事項を次のように説いています。

人間工学の観点から見たテレワーク時の留意事項を説くアロンソ=マエストレ調整官(英語・1分19秒)

 家族と過ごす自宅で仕事をする際には、仕事と家庭責任の両立が困難です。静かな部屋を見つけるか、どこかに即興のオフィス環境を作り上げることを試みてみましょう。

 人間工学的には、両足を床につけ、膝が床と平行になるよう座席の高さを調節してみます。高さが調節できない場合にはクッションを使っても良いでしょう。また、膝と椅子の間には間隔が必要です。背中は背もたれにもたせかけ、上腕は床と平行になるようにし、手首を休めるためにリストレストを使いましょう。

 最適の環境ではないかもしれませんし、ラップトップの画面が小さすぎると感じるかもしれません。定期的に休憩を取って運動をし、遠くを見て目を休めたり、水分補給を忘れないようにしましょう。十分な照明も新鮮な空気も大切です。可能であれば、頻繁に窓を開けて換気をしましょう。そして最も大切なことは、外出せず、安全性を保つことです。